日本ミシュランタイヤの須藤社長「新たな領域への挑戦も」

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カテゴリー: ニュース

 日本ミシュランタイヤが4月13日に開催した新社長就任会見で、須藤元新社長は「変化はチャンスであり、変化は進化だ」とコメントした。新型コロナウイルスをきっかけに社会が大きく変わる中で、タイヤのみならず、タイヤ関連のソリューションや3D金属プリンティングといった新たな領域でも挑戦を加速していく方針を示した。

前社長のペリニオ氏と須藤新社長(右)
前社長のペリニオ氏と須藤新社長(右)

 須藤社長は、ミシュラングループが掲げる「すべてを持続可能に」を日本ミシュランタイヤが目指す方針として挙げながら、より日本社会のニーズに即した取り組みを進める意向を示した。

 モビリティ関連では、持続可能性や安心・安全の実現のために何かを犠牲にすることがないよう、“安心・安全”と“ワクワク”の両立を目指す。これを達成するため様々なパートナーを巻き込み、環境や社会への貢献度も高めていく考えだ。

 また、タイヤの性能向上や性能持続性に取り組むほか、リサイクルや天然素材の活用など製品の循環性も目標とした。「タイヤの性能を上げながらサステナビリティを向上させることは一番の課題だが、ギブアップせずに取り組む」と強調した。

 さらに、「会社の成長はパートナーやお客様の価値創造につながっていなければならない。そこに貢献できていれば、利益は付いてくると信じている」とし、「革新的な製品、サービス、時代が必要とするソリューションを加速して開発していきたい」と意気込みを示した。

 具体的には将来的な労働人口の減少といった課題を踏まえ、フリートソリューションやデジタル技術などより安全で社会に対応した提案を推進していくという。

 同社では、「イノベーションのフロンティアになる」ことも目標に掲げており、タイヤではサステナブルな素材や製造による高付加価値の実現を目指す。一方、フリートソリューションに加え、タイヤ開発のノウハウやリサイクル商品を靴底に応用するなど様々な検討も行っていく。

 また、3D金属プリンティングといったタイヤで培った技術の展開を加速させる。国内では、研究開発拠点がある群馬県太田市に3D金属プリンターを設置し、産学官連携で活用に関するスタディを進める計画。

 ミシュランでは、タイヤ新品時の性能持続に向けて複雑なデザインとなったタイヤ金型を実現するため、同技術が応用されているという。従来難しかった金型の実現に大きな可能性があると指摘した上で、「業界を制限せず、この技術で社会の発展に貢献していきたい」とコメントした。

 会見では、「MOTION FOR LIFE」(モーション・フォー・ライフ)というグループの標語も紹介。須藤社長は「コロナをきっかけに色々な動きが制限された中、私たちは移動の喜びを改めて認識した」と述べ、「我慢するのではなく選択肢を広げ、ワクワクできる、それでいてサステナビリティを達成できる――そういうモビリティを提案する会社になりたい」と抱負を示した。

 会見でポール・ペリニオ前社長は、「日本には古くからリサイクルの考えや価値観が根付いている。持続可能なビジネスを日本がリードしていくことは自然であり、日本ミシュランタイヤも貢献できることがあると信じている」と期待を述べた。


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