日本ゼオンは4月13日、国立研究開発法人理化学研究所（理研）、横浜ゴムと共同で、バイオマス（生物資源）から効率的にブタジエンを生成できる新技術を開発したと発表した。同社によるとこの技術は世界で初めてとなる。
ブタジエンは主に、自動車タイヤなどの原料となる合成ゴムの主原料として使用されている。バイオマス由来のブタジエン生成技術を確立することで、石油依存度の低減に繋がり、二酸化炭素の削減に貢献できるという。
日本ゼオンは2013年から理研（環境資源科学研究センター）、横浜ゴムとの共同研究で、バイオマスから合成ゴム原料のモノマーを生成する技術開発を進めていた。昨年4月には理研の「産業界との融合的連携研究制度」を利用して「バイオモノマー生産研究チーム」を設置し、今回は同チームが新しい人工代謝経路と酵素で優れたブタジエン生成能を持つ細胞の創製に成功した。
これにより、従来の代謝経路に比べてより安価な中間体を経ることが可能になったほか、酵素の知見を取り入れることでブタジエンの発酵生産でのコストを大幅に削減することが期待できる。