米タイヤ製造者協会(USTMA)は3月31日、米国のタイヤ製造業向けのトレンドを明らかにする経済展望の分析結果を公表した。
経済影響の項目では、昨年は新型コロナウイルスにより世界的に景気が後退したものの、「タイヤへの支出は比較的良く、2月から4月にかけて15%減少しただけだった」と指摘した。また同協会では、「雇用維持やワクチン接種のサポートなど、タイヤ製造業や労働力を再び活気づけることに集中する」としている。
また、デジタルトランスフォーメーション(DX)に関しては、「5G技術の導入や車両の電動化、自動化とともにDXの加速度的な進行は大きな牽引力を持ち続ける」とコメントした。その上で、タイヤ監視技術やディーラー向けのデジタルツールの提供、自動運転車の開発のサポートなど同協会員の活動を紹介した。
一方、モビリティの環境変化に触れ、「パンデミックの早期からミレニアル世代(20~30歳代)は、運転頻度が高い郊外生活への親近感を高めるなどX世代(40~50歳代)の行動を取り入れていた」と分析。また、eコマースの増加やラストワンマイル配送への需要は、今後も重要な要素になると予測している。
環境に対しては、「気候への取り組みが焦点になっている」と指摘。低転がり抵抗のタイヤや二酸化炭素排出量を考慮した原材料の開発などの取り組みを報告した。