日本自動車タイヤ協会(JATMA)が4月23日に発表した2020年の廃タイヤ(使用済みタイヤ)リサイクル状況によると、昨年1年間の廃タイヤの総発生量は8600万本(93万7000トン)で、前年と比較して本数は1000万本、重量は8万9000トン減少した。
ルート別での廃タイヤの発生量は、タイヤ取替え時が本数、重量ともに約1割減少している。新型コロナウイルスによる経済の落ち込みなどで市販用タイヤの販売本数が減少したことが減少要因となった。廃車時は廃車台数の減少により約1割減だった。
リサイクル利用量は91万2000トンと5万4000トン減少したものの、化学工場における使用量は3万トン増加した。リサイクル率は廃タイヤ発生量の減少により3ポイント増の97%となった。
このうち、約6割を占める「熱利用」は3%減だったが、内訳をみると製紙工場は2%増、化学工場等は45%増加している。また、国内の熱利用先が廃タイヤの切断品・破砕品を購入する際の価格は引き続き下落傾向にあるという。
なお、同会が公表するリサイクル状況は国内で発生した廃タイヤの集計結果であり、輸入量は含まれていない。2020年の輸入量は約9万9500トンで、4年連続で前年を上回った。