ブリヂストン、サステナビリティ経営加速 各国の生産拠点でCO2削減

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カテゴリー: ニュース

 ブリヂストンはサーキュラーエコノミーやカーボンニュートラル化への取り組みと、ビジネスモデルの確立により創出される事業の価値の循環を連動させる「サステナビリティビジネス構想」の実現に向けて、グローバルで環境負荷低減への活動を加速させている。2050年を見据えた環境長期目標の過程で、2030年にはCO2総量を2011年比50%削減することを目指し、工場で再生可能エネルギー比率を高めるなど着実な成果を上げている。

 ブリヂストンは6月29日に発行した「サステナビリティレポート2020―2021」で、昨年に実施した環境負荷低減に関する取り組みを報告した。

米国のエイケン工場
ソーラーパネルを設置した米国のエイケン工場

 同社は生産によるCO2排出量削減を推進しており、昨年は米サウスカロライナ州エイケン郡の乗用車・ライトトラック用タイヤ工場に2MWの発電能力を持つ約8エーカー(約3万2374平方メートル)のソーラーパネルを設置した。これにより、年間1400メートルトンのCO2排出量削減が可能になる。

 また、欧州グループ会社でも再生可能エネルギーへの切り替えを進め、今年3月に欧州内の全ての新品タイヤ工場で使用する全電力の再生可能エネルギー化を達成した。来年にはスペイン・ブルゴス工場に同国内で最大級という2万500枚のソーラーパネルからなる4万平方メートル以上の太陽光発電設備を設置する予定で、発電量は9.2MWと、工場の使用電力の14%をまかなうという。

 あわせて、同社はサーキュラーエコノミーの実現に向けた取り組みを実施しており、2030年までに再生資源や再生可能資源由来の原材料使用率を40%にすることを目指している。なお、昨年の再生資源や再生可能資源由来の原材料使用率は37%だった。

 また、約38万本の使用済みタイヤに相当する1200トン以上の再生カーボンブラックを使用し、約1900トンのCO2排出量を削減した。年間では1万800トン以上のCO2排出量削減にあたる6800トンまでの再生カーボンブラックの使用拡大を目指す。

 さらに、同社では持続可能な水利用にも注力している。昨年はアルゼンチンのブエノスアイレス工場でボイラー用の軟水化装置の改善など各種プロセスにおける水利用方法の最適化や効率化を行い、取水量を2005年比で65%削減した。

 トルコのイズミット工場では雨水や排水を回収・処理し、再利用することで地下水の取水量削減に取り組んだほか、従業員への啓発を実施し、取水量は2005年比で35%減となっている。

 ブリヂストンの石橋秀一CEOは「更なる価値の創出に向けて、社会、顧客、あらゆるステークホルダーの皆様との信頼を醸成するために、事業活動と共に、社会貢献活動を推進していく」とコメントしている。

国内4工場で電力を再生エネルギーに

北九州工場
北九州工場

 ブリヂストンは7月8日、彦根工場と鳥栖工場、下関工場、北九州工場の4工場で外部から購入する全ての電力を再生可能エネルギー由来の電力に切り替えたと発表した。

 これにより、国内の全10カ所のタイヤ工場からの年間CO2排出量の合計は、2011年比で約30%削減される。また、国内のタイヤ工場における使用電力中の再生エネルギー使用比率は約42%に達する見込み。

 同社では2030年までに全ての国内タイヤ工場で、購入電力の再生可能エネルギーへの切り替えを進めるほか、「太陽光発電の拡大やタイヤ生産のエネルギー効率向上の施策を実施することにより、CO2排出量の削減を加速する」と今後の方針を示した。


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