JATMA(日本自動車タイヤ協会)は7月16日、国内タイヤ需要の年央見直しを発表した。それによると、市販用タイヤは上期に冬用タイヤが想定を上回ったことやライトトラック用タイヤの需要が堅調に推移したため、四輪車用の各カテゴリーで年間需要を上方修正した。また新車生産・販売が当初の見通しより増加するため、新車用タイヤの需要も上振れる見込みだ。
JATMAでは需要の前提条件として、実質経済成長率を当初見通しの2.0%から2.2%に見直し、自動車生産台数は前年比9%増の877万8000台とした。
新車用タイヤは四輪車用合計で前年比8%増の3943万2000本と2年ぶりに前年を上回る見込み。内訳は、乗用車用が8%増の3327万9000本と想定通りだが、ライトトラック用(491万3000本)、トラック・バス用(123万9000本)はともに10%増となる見込み。
ただ、2019年と比較すると、乗用車用タイヤは1割のマイナスとなっており、新型コロナ前までは回復できていない状況だ。
市販用タイヤはメーカー出荷ベースでは四輪車用タイヤ合計で6659万5000本となる見通し。当初の前年比4%増から6%増へと2ポイント上方修正した。2019年との比較では5%のマイナスとなる。
販社販売ベースで、夏用タイヤは4%増、冬用タイヤは6%増を見込む。夏用タイヤは上期に各カテゴリーで前年を上回っており、下期にかけても好調を維持しそうだ。冬用タイヤは昨年の上期が暖冬の影響を受けたことから今年上期は大幅なプラスとなったほか、下期も前年を上回ると想定している。
カテゴリー別で特に好調だったのがライトトラック用タイヤで、夏用タイヤに限ってはコロナ以前を上回る水準まで回復が見込まれている。トラック・バス用タイヤも底堅い販売が見込まれる中、今後は乗用車用タイヤの需要喚起にも期待がかかる。