住友ゴム、サステナビリティ長期方針策定 事業活動の持続的成長へ

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カテゴリー: ニュース

 住友ゴム工業は8月5日に会見を開き、サステナビリティ長期方針「はずむ未来チャレンジ2050」を策定したと発表した。環境、社会、ガバナンスそれぞれの項目で、2050年に向けて挑戦する目標と施策を設定。山本悟社長は「当社は経済的価値のみならず社会的価値の向上にも取り組み、持続可能な社会の発展に貢献していく」と意気込みを示した。

2050年にカーボンニュートラル達成

サステナビリティ長期方針のイメージ
サステナビリティ長期方針のイメージ

 住友ゴムがサステナビリティ長期方針を策定したのは、「社会課題が変化する中、社会と当社が持続的成長を遂げるには2050年を見越した長期視点での方針が必要」(山本社長)と考えたためだ。コーポレートスローガンにある「はずむ未来」を実現するという意味を込め、環境、社会、ガバナンスの目標を設定した。

 タイヤ事業では、サプライチェーン全体でCO2削減や、原材料のバイオマス・リサイクル化、車両の電動化への対応を進める。併せて、同社独自のタイヤセンシング技術「センシングコア」を核に新たなソリューションサービスも提供。山本社長は「当社ならではの循環型タイヤビジネスの確立を目指す」と展望を示した。

 今後、LCA(ライフサイクルアセスメント)を基軸に据え、サステナブルなタイヤ開発を加速させる。2029年には、安全・環境性能を高める技術から成る「スマートタイヤコンセプト」の全技術を完成させる方針だ。

 また、現在製造するタイヤではバイオマス原材料は全体の約25%、リサイクル材料は1%未満に留まる。これを2030年にはバイオマスとリサイクル合計で使用比率40%に、2050年には100%に高めていく。製造段階では、50年のカーボンニュートラルに向けて次世代エネルギー、水素の活用などを進める。

 さらに、タイヤやスポーツ、産業品の全ての事業で、CO2削減や使用する原材料などを考慮した自社基準を設定し、循環型社会への貢献を図る。山本社長は「全従業員が心を一つにしてサステナブルな社会の実現を目指す」と話した。

 事業活動を通じて脱炭素社会の実現に貢献する動きは他のタイヤメーカーでも広がっている。ブリヂストンは昨年12月に2050年のカーボンニュートラル化に向けて、バリューチェーン全体で資源循環やCO2削減への取り組みを強化する方針を明確にした。また、仏ミシュランは2050年までにタイヤを100%持続可能にする取り組みや、廃タイヤを原材料にするための工場建設などを進めている。

 今後、異業種との連携も含めて様々な環境技術や新たなサービスの構築が加速していきそうだ。


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