タイヤの整備不良拡大 JAFロードサービスで構成比悪化

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カテゴリー: ニュース

 空気圧不足などが依然として減らず、タイヤの管理が適正に行われていないケースが目立っている。JAF(日本自動車連盟)のロードサービスでタイヤ関連は2割前後で高止まりしており、2021年上半期は過去最多の構成比となった。メーカーや業界団体が行っている点検活動でも乗用車の4台に1台が空気圧不足のまま使用されていることが分かっている。新型コロナウイルスの影響で、マイカー通勤をしたり、自家用車でレジャーへ出掛けたりする機会が増加傾向にある中、安全への取り組みが一層求められていく。

 JAFの2021年度上期(4~9月)のロードサービス救援件数は、前年同期比1・2%減の99万4333件だった。件数は3年連続で減ったものの、「タイヤのパンク、バースト、空気圧不足」は20万8776件と7.1%増えた。ロードサービス全体に占める割合も20.9%と、前年より1.9ポイント拡大した。

 10年前の2011年度の同時期と比較すると、全体のロードサービス件数は2割近く減った中、タイヤのロードサービス件数は3割以上増えており、こうした傾向はこの数年続いている。

 また、住友ゴム工業が4月8日~5月31日に全国のダンロップ直営店で実施した点検活動では、表面の損傷をはじめとする整備不良が4台に1台の割合で確認されたという。さらに、日本自動車タイヤ協会(JATMA)がこれまでに行った調査ではドライバーの7割以上が「月に1回以上の点検が推奨されていることを知らない」と回答するなど、タイヤの適正管理に対する関心の低下が懸念されている

 一方、昨年からのコロナ禍で自動車の利用や移動手段にも変化が表れている。調査会社のJ.D.パワージャパンによると、「コロナ前より公共交通機関の利用が減少する一方で、自家用車の利用が増えた」というケースも少なくないことが分かった。

 自動車の利便性が再認識されて利用が活発になれば、タイヤの安全啓発も今まで以上に強く求められていく。その中で特にユーザーと接する機会が多い販売店の役割も一層重要になりそうだ。


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