タイヤ産業プロジェクト(TIP)は11月4日、世界のタイヤ生産能力のおよそ60%を占めるタイヤメーカーのCEOが参画するCEO会議をオンラインで開催した。この会議は2年に一度開催し、TIPの活動の進捗・成果を確認するとともに、今後2年間の活動計画を承認する。
今回は今年5月にタイヤ産業として持続可能性に貢献するためにセクターロードマップを発行したことを確認。これは、タイヤ産業がSDGs(持続可能な開発目標)で貢献できる目標を特定し、その実現に向けた取り組みの方向性を示しているもの。加えて、TIP参加企業のタイヤ生産における環境パフォーマンス報告書が発行されたことを確認した。
また、TIPが実施した、タイヤと道路の摩擦により発生するタイヤ摩耗粉塵(TRWP)に関する調査結果が閲覧できるウェブサイトの開設などを報告。2022年から2023年の活動計画としては、TRWPに関する暴露・危険性評価の継続などを承認した。
さらに、TIPは廃タイヤ(ELT)に関する調査を継続し、グローバルでのELTマネジメント向上を目指しており、ELT関連データなどをステークホルダー間で共有できるデジタルプラットフォームの形成について承認した。
TIPは2005年に設立し、世界を代表するタイヤメーカーのCEOが主導するプロジェクト。タイヤがライフサイクルを通じて人間の健康や環境に与える潜在的な影響について研究している。参加企業はブリヂストン、独コンチネンタル、米グッドイヤー、韓国のハンコックとクムホタイヤ、仏ミシュラン、伊ピレリ、住友ゴム工業、TOYO TIRE(トーヨータイヤ)、横浜ゴムの10社となっている。