ブリヂストンと仏ミシュランは、11月22日から23日にオランダのアムステルダムで開催される「Smithers Recovered Carbon Black Conference」で、再生カーボンブラックの利用拡大についての公開討論に参加すると発表した。
両社は、カーボンブラックの再生技術の確立と新品タイヤ生産への利用拡大の展望について討論する予定。また、その実現に向けて、タイヤメーカー各社、カーボンブラックサプライヤー、再生資源への還元技術を持つスタートアップ企業など、タイヤ・ゴム業界にかかわる全てのステークホルダーとの連携の必要性を訴えていく。
今後、共同イニシアチブの一環として、サーキュラーエコノミーの実現に向けたタイヤ・ゴム業界としての取り組み方針の検討を促進していくとともに、2022年には両社から課題と対策についての具体的な報告を行う予定。
世界では毎年約10億本のタイヤがその役割を終えると推定されており、使用済みタイヤの原材料の再利用や再生技術の研究が進められている。一方、よりサステナブルなエコシステムを構築し、業界全体におけるマテリアル・サーキュラリティを実現するには、様々な障壁がある。タイヤの重要な原材料であるカーボンブラックに占める再生カーボンブラックの割合は、再生から使用にいたる循環が未確立であるため、世界全体で1%未満に留まっている。
一方で、再生カーボンブラックの利用が拡大されることで、タイヤ・ゴム業界ではタイヤの性能を維持したまま石油由来の原材料の使用量を抑制することができる。さらに、新品のカーボンブラックを使用した場合に比べ、製造時の CO2排出量を約85%まで削減することが可能だと試算されている。