第14回オートモーティブワールドが1月19~21日に都内で開催され、村田製作所は仏ミシュランと共同開発したタイヤ内蔵型のRFID(無線自動識別)タグを展示した。
RFIDタグは、専用の読み取り機をかざすことで製造や棚卸、検品の記録をたどることができる。活用次第ではメンテナンスの履歴も残せるほか、将来はタイヤのアフターフォローに応用できる可能性もあるという。
展示したタグは、村田製作所が製造したRFIDモジュールを米ハナ・テクノロジーズがスプリングアンテナと一体化したもの。ミシュランがタイヤ製造時にタイヤ内部に搭載し、加硫や走行中の衝撃に耐えることが検証されている。担当者は「従来のRFIDタグはタイヤの振動でアンテナが折れることもあったが、現在の製品はモジュールとアンテナを固定しておらず、構造的に壊れにくい」と話した。
また、北陸電気工業のブースでは、フェニックスソリューション(石川県金沢市)が開発したタイヤ埋め込み用のRFIDタグを展示。同製品はタイヤに特化し、ゴム内部に埋め込むことで安定した通信性能を発揮するのが特徴。
レース用タイヤへの搭載実績があり、担当者は「レースでは目視のタイヤ管理が大変で、タグのニーズがある。徐々に実績を作り、タグが普及した際には一般のタイヤにも対応したい」と展望を示す。今後、耐久性などのデータ収集も進める。