春商戦を前に日本ミシュランタイヤと日本グッドイヤーが新商品発表会を開催した。日本ミシュランタイヤは3月からスポーツタイヤ「パイロット・スポーツ5」を発売し、日本グッドイヤーは高性能タイヤを2モデル市場投入する。いずれも独自のコンセプトで開発を行い、最新技術によりユーザーの様々な要求に応えているのが特徴だ。既に国内メーカーから発表されている新商品とともに市場の活性化が期待される。
ドライバーの感性をタイヤが表現
日本ミシュランタイヤは1月28日に発表会を開催し、スポーツタイヤの新商品「パイロット・スポーツ5」を3月8日より順次発売すると発表した。発売サイズは17~21インチの全43サイズで、価格はオープン。
「パイロット・スポーツ5」は、優れた応答性と操作性でユーザーからの評価が高かった従来品(パイロット・スポーツ4)を進化させたモデルとなる。
同社の調査によると、スポーツカーなどで運転を好むユーザーは「ドライ・ウェット路面でのグリップ」「ハンドリング」「高速運転時の安定性」「見た目の良さ」といった点を重視する傾向が強いという。こうした中、開発した「パイロット・スポーツ5」は、これまでのハイグリップスポーツタイヤに求められる性能に加え、走る愉しさ、見た目まで様々な性能を最大化している。
今回はモータースポーツからのフィードバックを得て開発した非対称パターン、高強度かつ耐熱性に優れたハイブリッド・アラミド/ナイロンベルトを採用。また、コーナリング時の接地圧分布を均一化させてグリップ力とコントロール性が高まるよう内部構造を最適化した。これらの技術により、ウェット路面での最速ラップタイムを1.7%、平均ラップタイムは1.5%短縮した。さらに、サイドウォール全周に「フルリングプレミアムタッチ」と呼ぶデザインを施し、高級感のある外観に仕上げた。
発表会に出席した須藤元社長は、「ドライバー一人ひとりが持つ感性をタイヤがどう表現できるか。ミシュランのスポーツタイヤはそれにお応えできる」と自信を示した。
最高峰のスポーツタイヤを投入
日本グッドイヤーは1月31日に会見を開き、夏用タイヤの新商品として2月から3月にかけて発売するハイパフォーマンス・コンフォートタイヤ「エフィシェントグリップ・パフォーマンス2」と、超高性能タイヤ「イーグルF1スーパースポーツ」を軸に、プレミアムカテゴリーの販売を強化していく方針を打ち出した。
両商品ともに欧州グッドイヤーがメインで開発したモデルとなる。ウェット性能をはじめ、耐摩耗性能やハンドリング性能などを高い水準で両立した。特に「イーグルF1スーパースポーツ」は日本市場では数年ぶりとなるハイパフォーマンススポーツカテゴリーへの商品投入になるという。
金原雄次郎社長は、「グッドイヤーはかつてF1で最多勝利記録を達成しており、近年はグローバルでモータースポーツ活動を再び強化している。モータースポーツは超高性能タイヤの開発で重要な活動だと位置づけている」と述べた。
その上で、「イーグル」シリーズの最高峰となる「イーグルF1スーパースポーツ」について、「レース活動に裏付けられた確かな性能を持っており、自信を持ってお勧めしていきたい」と意欲を示した。
なお、2022年はオールシーズンタイヤも更にラインアップを拡充していく計画を明らかにした。