ロシアのウクライナ侵攻を受けてタイヤメーカーが相次いで現地事業を停止している。
ブリヂストンは3月14日、ロシアでのタイヤ生産を停止すると発表した。18日から工場の稼働を停止したほか、新規設備投資も凍結する。また14日にロシア市場向けのタイヤ輸出も停止した。同社では「社会情勢など様々な要因を踏まえ、総合的に判断した」と説明している。
同社はウリヤノフスク州に乗用車用タイヤ工場を構え、2016年12月から生産を開始している。生産量は年間約240万本。
同社によるとグループ全体におけるロシア事業の売上収益は2%弱だという。現地工場と販売会社の従業員数は合計で約1000名。工場の再開時期は現時点では未定だが、停止期間中の従業員への賃金は保証する。
横浜ゴムは3月18日、ロシアの乗用車用タイヤ工場での生産を順次停止すると発表した。原材料の調達などに問題が出ているため。同工場は2012年に稼働した。
同社では「全てのステークホルダーにとって果たすべき責任を最優先に考え、状況を注視している」としている。
また、独コンチネンタルは3月上旬にロシア工場を稼働停止したことを明らかにしたほか、仏ミシュランも乗用車用タイヤ工場での生産を停止した。
現地販売会社での事業活動を停止する動きもある。TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は3月上旬からロシア向けのタイヤ出荷を停止した。日本やアジアの工場から輸出していたが、コンテナ船会社が相次いでロシア向けの運行を停止していることを受けた措置となる。住友ゴム工業も物流の停滞などからロシア向けの輸出を停止。現地で在庫のある製品は販売しているものの、輸出再開の目処は立っていないという。