10代のアイデア活かす ミシュラン、将来の社会課題解決に向けて

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カテゴリー: ニュース

 仏ミシュランは若い世代の考え方を取り入れながら社会課題に対する解決策を探るためのプロジェクトをスタートした。国内では日本ミシュランタイヤが主導して取り組みを本格的に始める。活動の理念に共感した高校生らと連携して現在起きている環境問題への対応をはじめ、将来を見据えた様々な課題解決に取り組んでいく。今後、活動の輪が広がることが期待される。

太田高校でプロジェクトの意義を紹介する須藤社長
太田高校でプロジェクトの意義を紹介する須藤社長

 ミシュラングループは昨年「DREAM」(ドリーム)と名付けたサステナビリティ活動をスタートした。昨年10月から11月にグループ社員を対象として「2050年までに取り組むべき人類にとって重要な課題」をテーマに意見を公募。1万人以上から5000件を上回る意見が寄せられ、検討を行った結果、10のテーマに絞られた。特に多くの社員が重要だと認識したのは「社会発展」と「温暖化」の2点。社会発展は人権や女性の権利、自由といった点から関心が集まり、温暖化に対しては気候変動への対応や再生エネルギーの活用などの重要性が確認された。

 これらのテーマに対して、今年1月から3月にかけて、15~20歳前後の世代から意見を募る活動をグローバルで始めた。日本では3月16日に群馬県太田市にある市立太田高校で授業の一環として生徒約540名を前にプロジェクトの目的を紹介。登壇した日本ミシュランタイヤの須藤元社長は、「地球環境の中には限界を超えているものもあり、環境対策は待ったなしの状態になっている。2050年の主役となるのは皆さんのような若い世代。ぜひ活動に参加して頂き、ミシュランがどのような形で貢献できるのか、その材料にさせて頂きたい」と呼び掛けた。

 今後は出された意見をもとに、同社社員と高校生らによるワークショップなどを開いて議論を深めた後、来年初頭を目処にグループ全体で取り組むべき具体的な方向性を決める。さらに、将来的には外部の企業なども巻き込んで活動範囲を拡大することを検討する。

 現地で報道陣の取材に応じた須藤社長は、「ミシュランの考え方だけでは自己満足になるかもしれないが、将来を担う若い世代の意見は貴重なインプットになる。今日参加して頂いた学生の方々は皆、環境への意識が高く、大人が思う以上にたくましい。私たちが気付かないような意見を出して頂けるのではないか」と期待を述べた。

 また「我々が単独でできることは限られる。様々なステークホルダーと一緒になってこそ行ける高い到達点を目指したい。ミシュランはその旗振り役、フロンティアになる」と、「DREAM」実現への決意を示した。


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