4月8日の「タイヤの日」にあわせて様々な安全啓発活動が行われている。コロナ禍で従来のような点検活動には制約があるものの、タイヤメーカーなどが工夫を凝らしてドライバーへタイヤの適正使用や日常点検を呼び掛けている。近年は空気圧不足のまま走行している車両の割合が増加傾向にある中、“使命”として活動を継続することの意義はより大きくなっていく。
日本自動車タイヤ協会(JATMA)は、「タイヤの日」に合わせて6日から15日まで、全国の高速道路などのSA・PA6会場で安全啓発活動を実施している。過去2年は主に啓発ポスターを通じた訴求を展開していたが、今年は一般ドライバーへリーフレットを配布して、タイヤの適正使用を直接PRした。
また、タイヤメーカー系列販売会社を通じ、各タイヤ販売店や専業店に店頭でのポスター掲出を要請。ポスターは12万4000部作成した。
2008年からタイヤの空気圧や残溝などの点検活動を継続してきた住友ゴム工業は、今年も4月8~24日に全国のタイヤセレクトで「2022年春の全国タイヤ安全点検活動」を実施している。
今回は昨年10月に行った点検活動で導入したAIタイヤ点検ツールを活用。このシステムは店舗スタッフがスマートフォンでタイヤを撮影し、AIが溝深さや偏摩耗を診断するもの。3段階で摩耗状態の判定結果を表示することで、ユーザーは撮影した画像を見ながら点検結果を確認できる。さらに、点検後に渡される「AIタイヤ点検結果カード」のQRコードからオンラインでも結果を確認することが可能となっている。
横浜ゴムは4月8~10日に独自のタイヤ安全活動を実施した。この取り組みは、タイヤの定期点検やエコドライブに対する意識を高めることを目的に2009年から行っている。
今年は全国のタイヤガーデン97店舗で無料点検を実施。また、4月1日からウェブサイトに特設ページを開設して空気圧の低下による影響などを掲載している。同社では「タイヤメーカーの重要な責務として継続的な安全啓発活動を行う」としている。
TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は2019年からドライブシミュレーターを活用し、一般ドライバーや取引先に対するタイヤ安全啓発を行っており、2022年も活動を継続する。
このシミュレーターは、同社が独自にソフトを開発したプログラムで、タイヤの摩耗度による雨天時の制動距離の違いやハイドロプレーニング現象、空気圧の違いによる操縦安定性の差を疑似的に体験できるもの。昨年までの3年間で累計約2160名のドライバーが体験している。
さらに、同社グループ販売会社では、取引先の新入社員やカーディーラーのフロントスタッフ向けの研修でもこのシミュレーターを活用するなど、活躍の場を広げている。
TOYO TIREでは「取引先の店頭でもタイヤの重要性を説明して頂ける」と、その効果に期待感を示している。