住友ゴム工業は4月22日に日本自動車研究所の城里テストセンター(茨城県)で、「センシングコア技術」の将来構想を発表した。2022年に実証実験を始め、2024年から自動車メーカー向けにタイヤの空気圧や摩耗、路面状態などを検知するシステムの提供を始める。
センシングコアは、タイヤの回転により発生する車輪速信号の解析技術により、様々な状態を検知する同社の独自技術。2017年に技術を確立し、2021年には空気圧、荷重、路面情報に加えて摩耗状態も検知できるように進化している。これらの情報をシステムで把握することによって、パンクや走行時のスリップ防止といった安全面のほか、タイヤ点検作業の省力化、走行中のCO2排出量の可視化も可能になる。
2024年以降、車載OSを搭載したEV(電気自動車)向けに開発を行うほか、外部のクラウドにインストールする形でのライセンス販売なども計画しているという。
会見に出席した山本悟社長は「CASEの時代に車両やサービスが進化している。お客様が求めることに対してセンシングコアは様々な角度から対応できる。可能性はまだまだ広がっていく」と今後への期待を述べた。
この技術はタイヤをセンサーとして利用するため、追加のセンサーを必要としない点が特徴。数年以内に大型車の車輪脱落の予兆を検知する技術やタイヤの損傷を把握できるようにシステムのアップデートを続け、2030年には事業利益ベースで100億円以上のビジネスへ成長させていく。