日本自動車タイヤ協会(JATMA)は5月24日に第54期定時総会を開き、任期満了に伴う役員改選で山石昌孝氏(横浜ゴム社長)が新会長に就いた。
同日開催した記者会見で、会長を退任した東正浩氏(ブリヂストンCOO)が任期の2年間について「コロナ禍でどういった活動ができるのかという部分で、JATMAのメンバーや私共タイヤメーカーで奮闘しながら色々な新しいことを試し、しっかり結果を出せた」と振り返った。
新会長に選ばれた山石氏は、「タイヤに求められる役割は安全と環境だ」とし、「安全と環境は何なのかを常に考え続け、この世で求められる安全と環境を満たすタイヤを提供していく必要がある」と展望を述べた。
安全については、「タイヤに関わる国連規則は今後とも強化される方向で議論が続く」との見通しを示し、「国際的な議論に参画し、我々の意見を反映させるべくこれまで以上に取り組んでいく」と話した。さらに、国内では「空気圧管理の適正化は大きな課題」とした上で、啓蒙に注力していく方針を明らかにした。
環境に関しては、日本政府が掲げる2050年のカーボンニュートラル実現という目標を踏まえ、「タイヤのライフサイクルCO2算定ガイドラインを活用しつつ、その達成に向け最大限の努力をしていきたい」と抱負を述べた。加えて、市販用タイヤの騒音対策に向けた自主的な制度について「今後は制度を完成させ、有効な制度として運営されていくことが重要だ。この後もJATMAとしてしっかり取り組んでいく」と話した。