横浜ゴムは8月10日に会見を開き、2021~23年の中期経営計画「ヨコハマ・トランスフォーメーション2023」の進捗を発表した。
今年上期は消費財事業でプレミアムカーへの新車装着を獲得したほか、補修市場で今年を「ヨコハマ夏の陣」と位置づけ、アドバンブランドの販売強化に努めたという。
生産財では、農業機械・産業車両用などを生産するトレルボルグ・ホイール・システムズ(TWS)事業の買収をスウェーデンのトレルボルグ社と合意した。横浜ゴムによると、タイヤ世界市場は消費財と生産財の構成比が1対1であるのに対し、同社は3対2と消費財に偏った構成だったものの、TWS事業の獲得により1対1の構成比を実現する計画。
今年下期に関しては、ミックス改善投資の成果として18インチ以上の生産設備が順次稼働を開始する。18インチ以上の生産能力は、23年には構成比が41%まで拡大する見込み。
また、同社の農機タイヤは市場を上回る成長率が続いていることを踏まえ、印工場で計画より前倒しし8月に生産開始した。OHT生産能力は今年下期に19年同期比で約4割増となり、25年にも更なる増強を計画する。
TBR事業は、米国工場の供給改善効果で今年は過去最高の生産本数を実現し、米国の旺盛な需要に応える。三重工場では、国内や欧米で需要の高まりがみられる小内外径トラック・バス用タイヤの増産投資を実施する。
山石昌孝社長は「23年には、既存事業の深化と市場変化の取り込みを同時に推進することにより、売上収益1兆円という過去最高の業績を達成する」と見通しを示した。