日本ミシュランタイヤは、国内での物流体制の再構築を目的としてヤマト運輸とリードロジスティクスパートナー契約を締結したと9月14日に発表した。ミシュランのサプライチェーン全体を変革し、物流と在庫を最適化することで、将来的な物流コストの削減や出荷リードタイムの短縮を実現する。9月から一部で運用を開始しており、来年1月10日から本格始動を予定している。
今回、ミシュランの物流体制をヤマト運輸が一元管理することにより、現在約20拠点ある倉庫を5拠点に集約するほか、各拠点の在庫の可視化・最適化を図り、東西の中央倉庫から地域倉庫への在庫転送量の極小化を図る。従来と同様の配送リードタイムを実現しつつ、温室効果ガス排出量の削減も進める。
また、両社は今後、RFIDを活用したDX(デジタルトランスフォーメーション)化も促進していく計画。製造過程でタイヤに付帯するICタグを倉庫運営に活用し、タイヤ1本単位の年度管理に加え、生産国の識別などを容易にして顧客のニーズに対応していく。さらに、荷受けやピッキングなど倉庫内作業の省人化、生産性の向上を目指すという。将来的には、ヤマト運輸の輸配送管理システムと、ミシュランのシステムを連携させ、注文したタイヤの配送状況をユーザーが確認できる仕組みの導入も検討していく。
日本ミシュランタイヤの須藤元社長は、「今回のパートナーシップは、海外の生産工場から販売店までのサプライチェーン全体を最適化し、顧客満足度の向上を目指す取り組みの一環となる。日本に到着するコンテナ船の運航状況が混乱を極める中、状況を的確に把握し製品をお届けすることがメーカーの責務と考えている」とコメントしている。さらに、現在約50%のオンラインオーダー比率を2025年に70%まで引き上げて環境負荷の低減および社内の業務効率化を図っていくことを明らかにした。