TOYO TIREの清水社長が会見「転機を掴み、成長へ」

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カテゴリー: ニュース
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 TOYO TIRE(トーヨータイヤ)は12月2日に記者会見を開き、清水隆史社長&CEOは「2023年は『転機を掴み、成長につなげる年』にしたい」と抱負を語った。今年7月に稼働を開始したセルビア工場は「将来的なタイヤ生産供給戦略を充足していく重要なキーファクター」と位置付け、世界の各工場と組み合わせてグローバル最適な供給体制を構築していく。自動車業界で加速する電気自動車(EV)化に対しては、日本・欧州・北米の3極R&D体制のもと技術開発を推進する。

 セルビア新工場はR&Dとの連携や生産管理の効率化を進め、商品力やコスト競争力の向上を図る。今年は北米向けの供給を優先してきたが、2023年には欧州向けも供給開始し、来年下期には年産500万本の生産体制を整える予定。

清水社長
清水社長

 グローバルでは、セルビア工場から北米市場に250万本を輸出する。この供給能力を活かし、米国ジョージア工場では乗用車用タイヤの生産ラインを閉鎖し、北米で販売が堅調なワイドライトトラック用の生産ラインに置換することを検討する。

 欧州では地産地消を促進。これまで欧州向けを供給してきたマレーシアや日本の拠点では地産地消化を進める一方、北米への輸出も実施し、「国内外の各工場を連携させてグローバル供給体制を構築していく」(清水社長)。

 EV化への対応では、欧州R&Dセンターが中心となり、転がり抵抗を抑えて軽量化を図ったコンパウンドの開発を推進する。セルビア工場に併設するテストコースも活用し、商品化のスピードアップも目指す。

 同社の主力である北米市場に関しては、「ブランド力、商品力に磨きをかけ、当社のプレゼンスをさらに高めていきたい」と意気込みを示した。北米の同社製タイヤ取り扱い店舗網について、「こうしたお客様の存在が当社の収益を支える基盤となっており、市場からタイムリーに得られた情報を新商品開発にも活かしている」と説明。その上で、「ニーズに合わせた商品供給を充実させ、お客様との強固な関係を築き、販売力を強化していく」と展望を述べた。

 また日本国内では、来年1月に予定している価格改定の浸透を図りつつ、「OPEN COUNTRY」(オープンカントリー)、「PROXES」(プロクセス)の2大ブランドの拡販を図る。
 さらに国内事業では、販売物流体制の再構築や販売拠点の統廃合といった変革が今年中に完了する見通し。今後はデジタル技術を活用し、営業担当者が担当するエリアの広域化を進めるほか、資本業務提携する三菱商事の関連先に対する生産財タイヤの増販なども加速していく。

 清水社長は、「今年もコロナ禍は収束に至らず、地政学上のリスクもあったが、決して浮足立つことなく足元を見つめてきた。今行うべきことを着実に進めてきた結果、セルビア工場を無事開設することができた」と振り返った。また来年は、2025年に向けた中期経営計画の折り返し地点であることから、差別化商品の展開やグローバル供給体制などに関する中計の成長戦略に関して、「その実行力を自ら問うターニングポイントと位置づける」と語った。


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