日本自動車タイヤ協会(JATMA)は12月26日、トラック・バス用リトレッドタイヤの普及に伴う資源使用量およびCO2排出量の削減効果のとりまとめを発表した。なお、算定は2021年3月に同会が発行した「タイヤのLCCO2 算定ガイドライン Ver3.0」に基づく。
それによると、タイヤサイズ275/80R22.5のリトレッドタイヤの生産では、新品タイヤの生産に比べ、資源使用量が約69%、CO2排出量は約65%削減することができると分かった。
また、2018~2021年の国内のリトレッド率は約18%で推移しており、すべての販売が新品だった場合と比較すると、2021年には年間約4.4万トンの資源使用量削減に寄与しているという。この数値は、275/80R22.5サイズの新品タイヤに換算すると約80万本にあたる。
さらに、同会はリトレッドタイヤの普及によるCO2排出量削減効果を算定。国内市場全体のすべての販売タイヤが新品だった場合と比べ、2021年は年間約20.1万トンの削減に貢献していることを示した。
タイヤのライフサイクル段階別にみるとCO2削減量が最も多いのは「原材料生産」だった。新品タイヤとリトレッドタイヤ用トレッド原材料を生産する際のCO2排出量を比較すると、2021年は11.0万トンの削減効果が得られている。これは、275/80R22.5サイズの新品タイヤ約110万本分を生産する際のCO2排出量に相当する。
そのほか、「原材料輸送」では0.7万トン、「タイヤ生産」で1.9万トン、「廃棄・リサイクル」で6.5万トンのCO2排出量が削減された。
あわせて、2021年の総本数を前提とした、リトレッド率とCO2削減量の関係をみると、比例関係となっている。これにより、国内市場でリトレッドタイヤの使用が増えていくことでさらにCO2削減や資源量削減への効果も拡大することが明らかになった。
JATMAでは「現在の日本国内のリトレッド率は、海外と比べると低い状況であり、リトレッド率が高まることで持続可能な社会の実現に向けてのさらなる貢献が期待される」としている。