大型車の脱輪防止検討会調査 増し締め依頼は半数程度

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カテゴリー: ニュース

 国土交通省は12月末にまとめた大型車の車輪脱落事故防止対策の調査分析検討会の中間取りまとめの中で、タイヤ脱着作業に関する調査結果を公表した。

 大型車の車輪脱落事故は、タイヤ脱着時の不適切な作業、作業後の増し締めの未実施といった保守管理不足と関連が強いと推測されている。また、脱着作業の内容や作業後の保守管理状況にばらつきが生じている可能性があることから調査を実施したもの。調査の対象は合計54の運送事業者やタイヤ専業店、整備事業者など。

 増し締めの実施状況を確認したところ、ヒアリングを行った全ての事業者が増し締め作業について認知していた。ただ、整備事業者やタイヤ専業店では顧客である運送会社などから増し締めを依頼される割合は半分に満たないことが分かった。

 なお、2021年度に発生した大型車の車輪脱落事故では、直近のタイヤ脱着作業後の増し締めを実施していない車両が67%を占めていた。

 また、ボルト・ナットのさびや異物による汚れの確認は大半の事業者が実施していた。作業工具について業種別に見ると、旅客運送事業者と自動車整備事業者は100%トルクレンチを保有しており、タイヤ専業店は電動トルクやパワートルクセッターの保有率がほかの業種に比べて高いことが分かった。ただ、全体の3割程度がトルクレンチの校正を実施していなかった。

 一方、29の運送事業者を対象に保守管理状況を確認したところ、日常点検は全ての事業者でドライバーが実施しており、目視による点検が8割と最も多かった。点検ハンマーを使用した打音点検を行っている事業者も半数程度見られた。

 さらに、マーキングを活用している車両の割合を聞いたところ、全ての保有車両でマーキングを活用している事業者は13、全く活用していない事業者は9となり、事業者による差が大きいことが分かった。なお、インジケーターを活用している事業者は2割未満となっており、さほど採用が進んでいないことも明らかになっている。

 マーキングやインジケーターを活用していない理由として、「ボルトの折損が判断できないために必要性を感じない」といった声があったほか、「インジケーターの存在そのものを知らなかった」「洗車の邪魔になる」という指摘もあった。

 検討会では「ナット緩みの点検方法として、目視による方法はあくまで選択肢の1つに過ぎないが、簡潔かつ確実に緩みを確認できる方法として、引き続き周知を図る」としている。


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