2023年3月期連結決算は増収も利益面は大幅減
日本ゼオンは4月26日、次期社長に豊嶋哲也取締役常務執行役員が内定したと発表した。正式には6月29日開催予定の定時株主総会で選任され、その後の取締役会決議を経て就任する予定。なお田中公章社長は代表取締役会長に就任する。
日本ゼオンは同日、2023年3月期連結業績を発表した。〈別表〉の通り、連結売上高は過去最高を更新した。しかし営業利益、経常利益はともに前年実績を大きく割り込んだ。
エストラマー素材事業の売上高は前年度比10.8%増の2,222億3,000万円、営業利益は54.6%減の101億8,400万円だった。合成ラテックスや化成品関連は前年同期を下回ったものの、合成ゴム関連で主原料および燃料高騰分等に対して販売価格の改定を進めたことが増収に寄与した。
24年3月期の連結業績見通しは、売上高は過去最高を見込むが、営業利益、経常利益はともに減益を想定している。
エストラマー素材の事業環境としては、自動車市場が22年度並みと見込むものの合成ゴムでは人員増に伴う費用負担等で減益を予想。ラテックスの事業構造を見直しスリム化を図ることで、営業利益の改善を目指す。