業界の課題解決へ道筋開く
タイヤ公正取引協議会は23日、都内で「第43回通常総会」を開催した。令和4年度事業報告の中で、広告や販促物への「相談対応」は事前相談件数が約2万4千件にのぼった。ただコロナ前(令和元年)実績と比べると8割弱にとどまった。また広告のウェブ化や動画など素材のデジタル化が一層進んだと指摘している。
「相談対応」「審査・調査」「研修啓発」「課題対応」などの各分野で活動する同会。事業報告によると、令和4年度から「低車外音タイヤのラベリング制度」が開始されたが、それにともない届出のあった478件の低車外音タイヤ試験データを審査した。
新年度(令和5年度)の事業計画も各分野で、積極的に活動に取り組む考え。時代に即した新たな手法を導入し課題の解決を図るとする。
このうち「相談対応」では、事前相談フィードバック制度による提供情報の詳細化が可能なシステムを開発する計画。また新たに運用を始めた、スマホのカメラ機能を活用した「スマホde事前相談」を促進する。
「審査・調査」では、8道府県で店頭の適正表示調査を計画。2年後から店頭調査方式「ステップ3.0」を開始するための準備を進める。またウェブ版店頭調査の実施方法設計の検討をスタートするとしている。
「研修啓発」は、現在ウェブサイトのみで提供する「低車外音タイヤ制度」に関し、消費者向け啓発ポスターを作成し会員に配布する予定。
「課題対応」では、新品タイヤの製造年週やオールシーズンタイヤに関する適正な情報提供に引き続き取り組む。低燃費タイヤ等ラベリング制度の対象タイヤについてその範囲拡大の検討を開始する。併せてタイヤのEC取引・表示の適正化を推進していく。
これらの活動を通じ、業界の景表法や独禁法のコンプライアンス体制について支援を一層強化する計画だ。