気候変動への対応として環境負荷低減を図る各種の活動が推し進められている。自動車業界の新たな潮流であるCASEの「Electric」(電動化)もその一環であり、脱炭素化社会実現のキーワードとなり、シフトチェンジが加速している。
タイヤ整備サービス関連でも例外ではない。電動化への対応を図る取り組みが先般開催の「第37回オートサービスショー2023」でも見られた。小野谷機工が参考出品したロードサービスカー、ESC(エレクトリック・サービス・カー)コンセプト=写真上=がそれだ。
その最大の特徴は、コンプレッサーの動力源を従来の発電機からリチウムイオンバッテリーへと変更した点。参考出品モデルでは、リチウムイオンバッテリーから正弦波インバーターへと繋ぎ、200Vや100Vの電源として使うことができるよう設計・配置した=写真下=。
従来の発電機と比較し、スペースユーティリティを大幅に高めた。また静音性に優れており作業環境の向上を実現。車両の軽量化を図り、燃費性能もアップした。
同社ではESCコンセプトの実用化とロードサービスカーへの実装に向け、鋭意開発を進めていく方針だ。
国交省・環境省・経産省が連携し商用車の電動化を支援
国土交通省は6月27日、トラックやタクシーの電動化を支援するため、令和5年度「商用車の電動化促進事業(トラック・タクシー)」の公募を開始した。
2050年カーボンニュートラル実現に向け、二酸化炭素排出量の約2割を占める運輸部門の脱炭素化が急務の課題となっている。そこでGX経済移行債を活用し、国土交通省・環境省・経済産業省が連携事業として「商用車の電動化促進事業」を行うもの。
この事業はトラック・タクシーの電動化を車両導入費の集中的支援により推し進め、車両の価格低減やイノベーションの加速を図り、排出削減のみならず価格競争力も高めることが目的。
また、改正省エネ法で新たに制度化される「非化石エネルギー転換目標」を踏まえた中長期計画作成義務化に伴い、野心的な導入目標を作成した事業者や、非化石エネルギー転換に伴う影響を受ける事業者等に対して、非化石エネルギー自動車(電気自動車、プラグインハイブリッド車、燃料電池自動車)の商用車(トラック・タクシー)の導入費を集中的に支援する。
実施期間は6月27日から2024年1月31日まで。問い合わせ先は、トラックは一般財団法人環境優良車普及機構、タクシーは公益財団法人日本自動車輸送技術協会。