ピレリはこのほど、ブラジル最大の独立系天然ゴム加工業者であるHevea―Tecの株式100%を買収する契約に署名したことを明らかにした。
この買収契約はHevea―Tecの約2100万ユーロの企業価値に基づき行われ、独占禁止当局からの承認を含む一定の条件が満たされれば23年末までに完了する予定。この契約によるピレリの23年純財務目標約23億5000万ユーロに影響しないという。
ピレリによると、Hevea―Tecの買収で中南米地域での天然ゴムついて継続して供給することが確保されたとする。また今後、その供給効率を向上させるとし、Hevea―Tecの生産量を増やす計画。
ピレリは目標として掲げる、タイヤの非化石ベースの材料の使用を増やすことを目的とした革新的な天然ゴムプロジェクトの立ち上げが、この事業により促進されることになるとする。
さらに持続可能性の観点から、同社は天然ゴムのサプライチェーンに対する管理を改善。天然ゴムの地産地消化が促進されることで、CO2排出量の削減に寄与するとしている。
ピレリは21年、原料の天然ゴムとレーヨンでFSC認証を世界で初めて取得したタイヤを発表した。今回のHevea―Tecの買収で新たなFSC認証獲得に向けたプロジェクトを開始することが可能になったとし、持続可能なタイヤ製造に向けた取り組みを一層加速させる考え。