JATMA(日本自動車タイヤ協会)はこのほど、2023年上期(1月〜6月)自動車タイヤ・チューブの統計データをまとめた。上期累計の新車用タイヤの販売本数は合計で2000万5千本、対前年比17.1%増加。半導体不足や部品調達難で新車の生産制約が大きく影響した前年から、回復へと向かう着実な足取りを示した。一方、上期累計の市販用タイヤ販売本数は3134万8千本、同2.4%減で、コロナ禍前の水準までほぼ回復した前年実績には届かなかった。
23年上期累計の新車用タイヤ販売実績は〈表1〉の通り。コロナ前の2019年上期累計実績と比較すると、トラック・バス用19年65万5千本/23年59万5千本、小形トラック用19年279万9千本/23年245万本、乗用車用19年1910万4千本/23年1607万2千本、四輪車合計19年2255万8千本/23年1911万7千本。前記3品種に建設車両用、農業機械用、二輪自動車用を加えた合計で19年2337万2千本/23年2000万5千本。
19年上期実績には及ばなかったものの、前年までの底を脱し、回復基調にあることを示している。
なお、自工会による車種別生産統計は23年1月〜4月の4カ月間が最新統計だが、それによる4カ月間累計の生産台数は次の通り。普通乗用車157万7千台(前年比21.2%増)、小型乗用車45万3千台(同14.2%増)、軽四輪47万8千台(同10.6%増)の乗用車合計250万9千台(同17.8%増)。普通トラック16万6千台(同2.1%減)、小型トラック8万1千台(同5.3%増)、軽四輪トラック14万5千台(同3.9%増)、合計39万3千台(同1.5%増)。バス3万3千台(同24.5%増)。全車種合計293万6千台(同15.4%増)。
一方、23年上期累計の市販用タイヤ販売実績は<表2>が示すように、コロナ禍前の水準にほぼ戻った前年実績には及ばなかった。
しかし6月単月をみると、トラック・バス用が44万4千本で前年比62.0%増の大幅増加したのをはじめ、小形トラック用112万7千本(同24.9%増、)乗用車用379万8千本(同17.9%増)、四輪車合計536万9千本(同22.1%増)、建設車両用などを加えた合計552万5千本(同21.1%増)と2桁増となった。
これには7月以降に実施が予定されるメーカー各社の冬用タイヤ値上げを前に、駆け込み需要が発生した影響があると見られる。その反動がどの程度のものか、今後の市場の動きが注視される。
19年上期累計実績と比較すると、トラック・バス用19年187万7千本/23年205万5千本、小形トラック用19年579万本/23年601万本、乗用車用19年2258万8千本/23年2235万7千本、四輪車合計19年3025万5千本/23年3042万2千本、建設車両用などを加えた合計19年3130万4千本/23年3134万8千本。
なお、自販連と全軽自協による23年上期の国内新車販売台数(登録車)は245万600台で、前年同期比17.5%増。19年上期実績の約275万台には及ばなかった。