日本ミシュランタイヤは8月3日、群馬県庁32階NETSUGENで「本社移転完了報告及び今後の取り組みに関する報道発表会」を開催した。
日本ミシュランタイヤは8月1日より本社の主要な機能を群馬県太田市に移転。研究開発拠点がある同市に事業拠点を集約し、業務効率化や地元企業との連携をさらに進める。この移転について、同社では「自動車業界の大変革や新型コロナウイルスなどによる激動の変化の中、より強固かつ柔軟な社内体制を構築し、自由な発想でイノベーションを推進するための一歩」と位置づけている。
太田市にはすでにSUBARU(スバル)が工場や関連企業を構えている。そうしたいわば“自動車産業における地元の先輩企業”との今後の協力関係について問われ、須藤元社長は「電気自動車(EV)向けのタイヤなどを念頭に、ともに開発ができることも期待している」と述べた。
今後さらに、地元の大学や自治体と産官学で連携しながら最先端の技術を研究する人材などを育成し、会社の持続的な成長と地域経済の活性化を目指す。
日本ミュシュランでは、今回の機能移転によって、社員のより「自立した自由な働き方で従業員満足の向上」を実現するため、異なる知見を持つ社員が自由闊達に知識を増幅し社会に貢献するコミュニケーションブースも、2024年4月竣工予定で新設する。
須藤社長はアフリカのことわざとして紹介されている「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければ皆で行け」を引用。「組織における多様性、ダイバーシティ化、そしてその先のタイヤを超えたものづくりへのブレイクスルーに向けて、示唆に富んだ言葉だと思う。この地にミシュランの知恵と経験を集結させて、群馬からイノベーションを起こしていきたい」と抱負を述べた。