タイヤリサイクル技術の開発取り組みを加速
住友ゴム工業はこのほど、住友理工(本社・名古屋市中村区)、住友電気工業(本社・大阪市中央区)と協業し、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に向けたリサイクル技術の開発に取り組むことを明らかにした。
22年、炭素回収・変換技術を有する米国のバイオ技術会社、LanzaTech Global, Inc.(本社・米国イリノイ州。以下、ランザテック社)と、住友理工との間で共同開発契約を締結。この共同開発に、住友ゴムと住友電工が参画することを決めた。
3社が協業しランザテック社と開発に取り組むことで、ゴムをはじめ樹脂やウレタン、金属などの廃棄物を、サーキュラーエコノミーへの移行に向け新たな技術を確立していく。
今回の取り組みでは、ランザテック社が有する「微生物による生合成技術」を活用。タイヤなどの廃棄物をガス化・ガス精製した後、微生物による生合成反応を経て、新たにゴム原料となるイソプレンを生産することを目指す。
最終的には原料メーカーとの協業を進め、イソプレンを再びゴム・樹脂として利用するリサイクル技術の確立も視野に入れる。また、廃棄物をガス化する過程で回収した金属をリサイクルし、原材料として再利用することを検討していく。これらの取り組みにより、原材料のサーキュラーエコノミーの実現を図る。
住友ゴムグループの年間タイヤ販売本数は1億1千万本に上るという(22年実績)。住友ゴム独自の循環型ビジネス構想「TOWANOWA」(トワノワ)を推進する上で、タイヤ事業での回収・リサイクルの取り組みを進め、廃タイヤを有効な資源として再利用できるシステムを構築することが不可欠だとする。
今回の3社協業はリサイクル技術の研究開発の一環。それを通じて「TOWANOWA」で目指す、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーなどサステナブルな社会の実現に向けた取り組みを加速させる考えだ。