売上収益で初の2兆円超 ブリヂストン第2四半期連結業績は増収増益

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石橋秀一グローバルCEO=ブリヂストン提供=
石橋秀一グローバルCEO=ブリヂストン提供=

 ブリヂストンは9日、23年12月期第2四半期連結決算業績を発表した。

 石橋秀一代表執行役グローバルCEOは「米欧での市販用タイヤ需要が当初の想定以上に厳しい環境下で推移した」と指摘。「プレミアムタイヤの販売数量アップと販売ミックスアップ、価格アップについてフレキシブル(柔軟)でアジャイル(機敏)にマネージし、為替の追い風もあり上期業績を確保することができた」と所感を述べた。

 上期の売上収益は前年比11%増、調整後営業利益は同15%増。これはプレミアムタイヤへのフォーカスを徹底しビジネスの質を向上させたことによる。売上収益では乗用車用プレミアムタイヤや鉱山用タイヤの拡販を達成し前年比で増収。為替の追い風もあり、上期では同社で初めて2兆円台に乗った。

 調整後営業利益では、原材料価格に加えエネルギー費や労務費などインフレによるコスト面のマイナス影響を売値と販売ミックスの改善でカバー。徹底した経費マネジメントと生産現場での生産性改善活動に取り組んだ結果、前年比増益を達成した。

 なお同期に普利司通(惠州)輪胎有限公司を連結範囲から除外した。

 23年通期業績について、石橋CEOは「下期も需要動向は不透明で地政学的リスクもある。米欧の景気減速影響によるセルアウト落ち込みからの回復スピードが遅い」と、厳しい見立てとする。

 23年年間では「乗用車用タイヤとトラック・バス(TB)用タイヤは相対的にレジリアント(逆境に強く、回復力のある)なプレミアムへのフォーカスを徹底する。乗用車用は〝断トツ〟商品を軸に販売ミックスのアップを図り、TB用は北米・日本でリトレッドビジネスを伸長させる。鉱山用の超大型・大型領域で〝断トツ〟商品のMASTERCORE(マスターコア)を中核に拡販を計画する」とコメント。下期も上期と同様のスタンスで経営を推進する考えを表明した。

 23年通期業績見通しは、2月に発表した計画から変更しない。今後の事業環境として、下期に販売回復を見込む米欧TBの回復遅れや回復幅の減少、欧州市場のさらなる環境悪化による見込みに対する販売減という懸念があるという。

 また2月発表の計画に対し販売本数減やミックス悪化影響が想定されるとする。しかし経費マネジメントとコスト改善でそれを最小化し、為替の円安傾向を織り込み通期業績の確保を見込む方針だ。なお、配当は前年比25円増配の1株あたり年間200円を計画。


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