住友ゴムが富士スピードウェイでセンシングコア実証実験
住友ゴム工業は15日、静岡県の富士スピードウェイで「レースでのセンシングコア実証実験」の模様を報道関係者に公開した。
センシングコアはタイヤの回転信号を解析する間接式TPMS(タイヤ空気圧監視システム)、DWSをベースにしたソフトウェア。DWSは直接式TPMSと異なりセンサーや電池が不要で、同社の自動車メーカーへの納入実績は1997年から現在まで累計で5千万台にのぼる。
DWSの機能を拡張し、空気圧のほかにもタイヤの荷重や路面状況、タイヤの摩耗状況を検知可能にしたのがセンシングコア技術だ。同社ではその事業化への取り組みを本格的に開始した。自動車メーカーへのソフトウェア販売を皮切りに今後、故障予知ビジネス、トータルフリートビジネスへと拡大展開を図り、2030年に事業利益100億円以上を目指す計画。
モータースポーツでの実証実験は、将来への商品化に向けたマイルストーン。タイヤの路面への接地状態をセンシングコア技術の機能を活用し〝見える化〟することで、ドライバーとチームスタッフは情報をリアルタイムに共有することが可能となる。モータースポーツシーンで間接式TPMSの機能を活用しタイヤのグリップ状態を確認する取り組みはこれが初めてとみられる。
今回D−SPORT Racing(ディー・スポーツ・レーシング)の協力を得て、レースに参戦するミライースにセンシングコアを搭載。この日開催の「K4GP FUJI10時間耐久レース」で、タイヤのグリップ状態についてモニターを通じ確認した。