小野谷機工 ロードサービスカー工場完成

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カテゴリー: ニュース

生産性向上でニーズに応える

落成式でのテープカット
落成式でのテープカット

 小野谷機工(福井県越前市)は10月5日、ロードサービスカー(タイヤサービスカー)の組み立て工場を開設し、関係者およそ170人を招いた落成式を開催した。

 同社は1990年よりサービスカーの製造販売を手がけており、近年は受注が増加しているため、従来の工場では手狭になっていた。新工場の稼働により、生産能力は年間36台から約50台に拡大する。同社では「市場拡大に伴い増産が急務だった。納期短縮で顧客ニーズに応える」としており、今後さらに作業効率を向上させ、工場全体の再配置を進めていく考えだ。

 式典で挨拶に立った同社グループの三村義雄社主は、「今、まさにロードサービスカーの時代が来た。当社だけでも何十台も受注がある。この工場がひとつの契機となり成功するように、タイヤ業界が変わってきたと知って頂くために盛大にやっていく」と述べた。

 また来賓として出席したブリヂストンタイヤジャパンの中道護専務は「我々が進めているタイヤのメンテナンスサービスにロードサービスカーはなくてはならないツールで、そのニーズが高まっていると日々感じている。この新工場には我々のビジネスを支えるという意味でも大いに期待している」と話した。

ロードサービスカーの新工場
工場の内部

 新工場の投資額は1億5000万円。敷地面積は3960平方メートル、建屋面積は1650平方メートルで、人員は5名に増やした。

 ロードサービスカーは三村社主が約25年前にアメリカのタイヤ業界を視察した際、移動メンテナンスの需要が高まることを確信して帰国後に製作に着手。その後、改良を重ね、現在は月に3台の受注を得るまでに事業が拡大している。また近年は車両の大型化やトレーラー化に伴い、タイヤショップへの乗り入れが困難となるケースが増えるなど、今後も需要は拡大が見込まれる。

 同社では以前は県内の協力会社で行っていた架装製作の一部を内製化するなど取り組みを強化してきたが、従来の工場ではスペースが手狭になっていたため、生産効率の向上が課題となっていた。

 こうした中、今年3月に隣接するグループ会社の工場が移転したことに伴い、新たにロードサービスカーの組み立て工場を移設。新工場では余裕を持たせたレイアウトを採用し、車両の取り回しが容易になったほか、作業環境が良くなることで作業者の安全性も高まった。

 同社では「最終的に多様化する顧客ニーズに迅速に応えるロードサービスカーの組み立て工場を目指す。ユーザーの声を糧に今後も軽労化、省力化を目指したロードサービスカーの製造に繋げていく」としている。

 さらに工場の新設に伴い、今後は製造工程そのものを見直すなど、工場全体の再配置を検討している。三村健二社長は、「来年以降も工作機械の新設、再配置を計画している。また品質管理の専門セクションを立ち上げ、さらなる品質向上に務める」と述べ、生産性と品質を高めていく活動に注力していく考えを示した。


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