メーカー担当者が語る 今冬の販売戦略

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カテゴリー: ニュース

 ①トーヨータイヤジャパン

 「ギズ2」フルラインアップ。豊富な品揃えで拡販を

 

 冬タイヤの本格的な商戦期を迎える。本紙は恒例企画として「メーカー担当者が語る 今冬の販売戦略」を短期連載する。シリーズ1回目はトーヨータイヤジャパンの森田学さん(企画本部 商品企画部長)に、今冬の取り組みを語ってもらった。

 

 前冬シーズンでは、競合他社が22年内に値上げを行ったため、市販市場は全体として22年上期に仮需要が発生し下期にその反動が見られたという需要曲線だった。それに対し、当社は23年1月に価格改定を実施したことで販売推移は例年に近い曲線を描いた。トータルの販売量も計画を上回ることができた。

 今冬シーズンは当社も7月に値上げを実施しており、上期に仮需要が発生した。下期にその反動が現れると想定し、販売推移を計画している。

 

 市場の動向としては、前冬シーズンあたりからこれまでにないサイズの販売量が急に伸び始め、その一方で販売量が減少するサイズもあり、サイズトレンドが読みにくい状況だ。市販タイヤ市場には新車販売のマーケットトレンドが数年遅れてから影響が現れるという特徴があり、その変化が顕著になってきているのだろう。

 現在、新車市場ではクロスオーバー系のSUVが好調な販売推移を示している。また、SUVやミニバンのサイズトレンドとして、タイヤが大径化する傾向にあり、純正で20インチ、21インチサイズが装着される新車も増えてきている。

 このような新車市場のトレンドを背景に、新車に乗り換えたことでこれまで使っていたスタッドレスタイヤとはサイズが合わずに買い換えが生じ、需要の創出につながっている。ユーザーがスタッドレスタイヤを購入する場合にそのまま同じサイズを選ぶか、購入価格を抑えたいという心理からインチダウンを選択するか。そういうケースもサイズトレンドの変化要因として想定し、販売計画に取り込む必要があるだろう。

 

「オブザーブ ギズ2」
「オブザーブ ギズ2」

 当社は「オブザーブ ギズ2」を注力製品のひとつとして販売展開を行う。「ギズ2」はアイス性能を高め、経年に対する性能維持を実現した。20年8月から新発売し、21年にサイズラインを整えた。今冬に向け新サイズを追加しフルラインアップの販売体制を整えた。

 今冬はこの「ギズ2」を柱に販売活動を展開する。「ギズ2」は従来品の「ギズ」から6年の開発期間を経て上市したので、その性能の進化に対する市場の評価は高い。「ギズ」から「ギズ2」へとシフトチェンジを強めることで、販売店の皆様にとって収益力の向上に寄与するものと考える。

 「ギズ2」「ギズ」のほかに、ハイト系専用の「ウィンター・トランパス TX」にはエクストラロードに対応する新サイズを追加した。また、SUV/CCV専用「オブザーブ GSi−6」、それよりもさらにオフロード性能を追求したSUV専用「オブザーブ W/T−R」、ビジネスバン用「デルベックス 935」と、豊富な商品ラインアップを揃えた。

 クルマの特性やお客様のお使いになるシチュエーションに合わせてタイヤをお選びいただける、というのがTOYO TIREの特徴だ。新車で登場し始めた新しいサイズにも対応し、より売りやすい品揃えを行うことで一層の販売拡大を図る。

テレビCM冬編のワンカット
テレビCM冬編のワンカット

 スタッドレスタイヤの販促活動の一環として、TTOYO TIREのキーフレーズである「青を灯せ」と連動したテレビCMを制作し、北海道から順次、降雪地区を中心に放送を開始している。

 店頭でのミニモニターを活用したインプレッション動画の放映、研修会の開催、販売マニュアルの改訂など、さまざまな施策を準備した。TOYO TIREの冬用タイヤについてご理解を深めていただき、ユーザーにご提案する際にお役立ていただきたい。

 

 一方、〝暖冬〟という状況になると、オールシーズンタイヤに注目が集まる。当社では2019年から一般ドライバー向けの「セルシアス」を発売し、今年8月にはタクシー専用スペックを発売した。都市圏をはじめとする非降雪地区で需要にミートした販売活動を展開し、オールシーズンタイヤの販売拡大への取り組みも強めていく。


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