メーカー担当者が語る 今冬の販売戦略 ②日本ミシュランタイヤ

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カテゴリー: ニュース

「X-アイス スノー」と「クロスクライメート2」、両分野で成長を

「X-アイス スノー」
「X-アイス スノー」

 日本ミシュランタイヤはスタッドレスタイヤの「X-アイス スノー」と「X-アイス スノー SUV」に、エクストラロード(XL)規格などの新サイズを追加した。市場が拡大するSUVやEVへの対応を図る。他方で同じく需要が拡大傾向にある、シーズンを問わずに使うことが可能なタイヤの分野も商品ラインを充実させた。神取孝司さん(B2Cマーケティング部ブランド戦略マネージャー)に、今冬の取り組みを語ってもらった。

 

 コロナ禍のインパクトがまだ残っていたことと、ロシアのウクライナへの侵攻でサプライチェーンが被害を受け、その影響はタイヤ業界にとどまらず物流全体に及んだ。それらにより22年のタイヤ販売はコロナ前、ロシア侵攻前の19年実績と比較すると落ち込んだ。

 ただ、23年に入りコロナの感染症の分類が5類に変わったこともあり、消費者の行動が活発になった。23年のタイヤ販売は19年と同等水準か、それを少し上回るのではないかと見られる。

 原材料をはじめさまざまな物価が値上がりし、消費者の価格志向は強まっている。しかし、タイヤは安全性に深く関わっていることから、ただ値段が安いものを選ぶのではなく、安全性を担保し品質の高いものを買いたいという消費者の心理は変わっていないのではないか。価格が上昇したことで高付加価値タイヤの販売が減少しているという傾向は見えていない。

 SUV用など大口径タイヤの販売量が伸長しているが、これは自動車市場の傾向を反映したものだと分析する。当社の調査によると、軽自動車を除く乗用車の中でSUVが占める割合は10年前で1割未満だったが、現在は3割を超えている。

 

 当社は23年5月に、夏・冬タイヤの価格を一斉に改定した。値上げ前の仮需が起き需要の先食いは多少あったが、冬タイヤの販売はこれからも堅調に推移し、23年全体で見ると着地点はかなり良いものになるのではないかと見込んでいる。

 今冬シーズンについては、スタッドレスタイヤでは乗用車用「X-アイス スノー」とSUV・クロスオーバー用「X-アイス スノー SUV」を主力商品として、積極的な販売活動を展開していく。

 2019年から発売し今冬で5年目となる。そのトップレベルの性能はユーザーから高いご評価をいただいている。このほど新たに19サイズを追加し「X-アイス スノー」と「X-アイス スノー SUV」で合計150サイズのフルラインアップを整えた。

「クロスクライメート2」
「クロスクライメート2」

 また、市場ではオールシーズンタイヤの需要が拡大しているが、ミシュランは「クロスクライメート」シリーズ最新となる乗用車用「クロスクライメート2」、SUV・クロスオーバー用「クロスクライメート2 SUV」を販売展開することで、その需要に対応する。

 「クロスクライメート」シリーズは『夏タイヤの性能をキープしつつ、冬タイヤのパフォーマンスも備える』という位置付けとなる。欧州では冬季用タイヤとして走行性能基準が認められたタイヤに「スリーピーク・マウンテン・スノーフレーク」が打刻される。「クロスクライメート」シリーズにそれがマークされている。シビアスノーのコンディションに適合し『急な雪でも走行できる夏タイヤ』であり、非降雪・準降雪地帯でシーズンを通してお使いいただける。

 スタッドレスタイヤと、「クロスクライメート2」「クロスクライメート2 SUV」との違い、性能の特徴をタイヤ販売店の皆様にご理解いただけるようサポートに努めていく。皆様には消費者の使用環境に応じ適切なタイヤをお勧めいただきたい。

 

 販売促進の施策として、今冬はウェビナー(インターネット回線を通じてオンラインで行うセミナー)を活用していく。試乗会などフェイス・トゥ・フェイスの活動は重要であり、われわれがタイヤ販売店の皆様のもとに足を運び商品を説明するということは当然、引き続き行っていく。

 その一方で、ウェビナーは多くのお客様が1度にアクセスすることが可能であり、お客様にとっては比較的短い時間で必要な情報を得られるというメリットがある。ウェビナーを活用することで、お客様に商品に対するご理解をより深めていただきたいと考える。

 また、若い世代の方からの問い合わせが増えてきている。YouTubeなど、若い世代の方がアクセスしやすいツールを使い、商品の性能や特徴をわかりやすくまとめた動画をつくり、今後ウェブ上にアップしていく。


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