レゾンデートル×イヤサカ 10月発売開始
自動車整備関連を主力にソフトウェアの開発と保守・運用やITコンサルティング、整備ソリューションを事業として行う株式会社レゾンデートル(新宿区住吉町、代表取締役社長・金藤淳三氏)。自動車整備の診断結果の帳票化やエイミングのエビデンス(証拠)などを行うクラウドシステム「イージーリンク・フォー・クラウド」(略称ELC)を開発し展開している。
そのELCに、同社はこのほど「規定トルク締付証明書発行」の機能を追加・拡張した。自動車整備機器の総合商社であるイヤサカを通じて10月から販売を開始している。
事故防止の観点から、「確実で適切なタイヤ作業」がより強く求められており、タイヤ脱着作業の現場では整備のDX(デジタルトランスフォーメーション)化やデータのクラウド対応、フリート管理の導入が進みつつある。
ただ一方で、トルク締付に欠かせないトルクレンチのDX化は途上にあり、デジタル対応の製品が整備現場で普及した状況にあるとは言えない。「規定トルク締付証明書発行」も事情は同様で、その開発はこれまでむずかしい状況だった。
このようななか、レゾンデートルは空研のホイールナットランナー「パワートルクセッター PTSシリーズ」のオプションロガー(締付データを転送する機能)を活用。それによりタイヤ装着時に規定のトルクで締め付けたことを証明する書類の発行機能をELCシステムに追加した。
レゾンデートルやイヤサカではこの機能のクラウドサービスについて、タイヤ販売店での実証を行うなどのプロセスを経て、製品化を果たしたという。
同社は「大型タイヤを取り扱うタイヤ販売店をはじめ、自動車整備事業者、運送会社の整備管理者が規定トルクでのナット締付をエビデンスとして残せることから、お客様への安全と安心を担保するツールとして利用できるとともに、作業した事業者の立場を守ることも可能となる」とする。
また、これまで料金の分別徴収が困難だった整備作業に対し、ELCは整備の技術力を「金額」で可視化するツールとして評価を得ていた。今回「規定トルク締付証明書発行」の機能を追加したことで収益化が可能なアイテムが増え、作業工賃収入の向上も期待できるとしている。