過去最高の475社が参加。「未来図」描く
10月26日（一般公開は28日）から11月5日まで、江東区有明の東京ビッグサイトを中心に「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」（以下、JMS）が開催される。
JMSのステートメントは「乗りたい未来を、探しにいこう！」。これまでの東京モーターショーから生まれ変わり、自動車業界の枠を超えた一大イベントとして行われる。
〝日本の未来を新しい仲間と創っていく〟という考え方のもと、過去最高の475社・団体が参加する。とくに主催者プログラム「Tokyo Future Tour」（東京フューチャーツアー）には177社を超える企業が参加。「みんなで一緒に考える場」のショーコンセプトのもと、自動車産業だけではない、オールインダストリー（すべての産業）で「モビリティが実現する、明るく楽しくワクワクする未来」を描く。
JMSにタイヤメーカーからブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴムが参加するが、3社はこのほど、ブースで出展予定の内容を明らかにした。
「新しい生活や未来に向け、人とモノの移動を支える」がコンセプト
ブリヂストン 「ENLITEN」採用商品を出展
ブリヂストンは、「ブリヂストンが新しい生活や未来に向け、人とモノの移動を支える」をコンセプトに、技術イノベーションと共創・ソリューションを展示ブースで紹介する。
カーボンニュートラルなモビリティ社会を足元から支える、商品設計基盤技術「ENLITEN」（エンライトン）を搭載した乗用車用タイヤやモータースポーツ用タイヤを展示する。
その一つ、23年5月から発売の北米向け市販用EV専用タイヤ「TURANZA EV」は、EVの高荷重・高トルクにともなう早期摩耗の課題を克服し耐摩耗性を大幅に向上。サステナブル素材を採用し、再生資源・再生可能資源比率（MCN）50%を実現した。
また、世界最高峰のソーラーカーレース「2023 ブリヂストン ワールド ソーラー チャレンジ（BWSC）」で初投入される「ENLITEN」技術搭載タイヤと、それを装着したソーラーカーを展示。今シーズンの「NTT INDYCAR」シリーズのストリートサーキットで使用された、グアユール由来の天然ゴムを適用した｢Firestone」ブランドタイヤを展示する。
さらに、モビリティソリューションとタイヤデータ、リアルとを組み合わせた「タイヤセントリックソリューション」をはじめ、ブリヂストンがさまざまなパートナーと取り組む共創プロジェクトを紹介する。
ステージでは、佐藤琢磨選手をはじめとしたトップドライバーや著名人など多くのゲストを招き、トークショーやイベントを行う。ドライビングシミュレーターを活用したeモータースポーツの体験型プログラムコーナーも設置する予定だ。
「アクティブトレッド」を初公開
住友ゴム工業 アトラクションで体感も可能
住友ゴム工業は、「WE SYNCHRONIZE.」をコンセプトに、DUNLOP(ダンロップ)ブースを出展する。
路面状況に応じてタイヤの性能がスイッチする新発明のゴム技術「アクティブトレッド」の詳細を初めて公開する。併せて、ブースでは「アクティブトレッド」のゴムの性質変化を体感できるアトラクションを用意する。
また、タイヤそのものをセンサーとして路面状況などを可視化する「センシングコア」技術を出展し、この技術の進化の方向性を示す。さらに、地球環境に配慮した「サステナブル原材料」の活用などを出展する予定だ。
同社は独自の新技術やソリューションサービスを通じ、CASE＋サステナブルな社会のニーズ・期待に応える先進的な取り組みを紹介。タイヤが持つ未来の可能性を訴求していく。
テーマは「ヨコハマが創る未来のタイヤ」
横浜ゴム 新スポーツタイヤコンセプトを初披露へ
横浜ゴムは、「ヨコハマが創る未来のタイヤ」をテーマに、開発中の先進技術と、EV対応技術やサステナブル技術などを紹介する。
先進技術ではCASEやMaaSなどモビリティ需要の変化を見据えた技術として、センシング機能を搭載したセンサータイヤテクノロジー、広い車室や低床化に対応する高負荷小径タイヤ、パンクしにくいタイヤを目指すセルフシールタイヤなどを展示。
空力をコントロールし車の性能向上に貢献するエアロダイナミクスフィンタイヤ「ADVAN A50」を参考出品する。また、スポーツモードとコンフォートモードを切り替えられる未来のスポーツタイヤコンセプトを初披露する。
EV対応技術では、今秋から欧州を皮切りに発売するEV専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV」を初展示。EVや大型SUVなど車両の高重量化に対応するHLC（ハイロードキャパシティ）について紹介する。
サステナブル技術では今年から「全日本スーパーフォーミュラ選手権」に供給しているサステナブル素材約33%活用タイヤなどを中心に展示する。また、材料やタイヤなどの設計にAIを活用する同社独自のAI利活用フレームワーク「HAICoLab（ハイコラボ）」を公開する。