「乗りたい未来を、探しにいこう!」をテーマに、「JAPAN MOBILITY SHOW 2023」(以下、JMS)が開幕した。前回の「東京モータショー2019」以来4年ぶりのショーは、自動車業界の枠を超えた一大イベントとして開催。江東区有明の東京ビッグサイトを中心に、過去最高の約500社・団体が集結した。そのJMSにタイヤメーカーからブリヂストン、住友ゴム工業、横浜ゴムの3社が参加。技術の粋を集め開発した最新のタイヤを出展し、「モビリティが実現する、明るく楽しくワクワクする未来」を展示ブースで表現した。また住友ゴム工業は26日、ブースステージでプレスブリーフィングを行い、山本悟社長が新技術「アクティブトレッド」を発表。同技術搭載の新商品は24年秋に発表することも明らかにした。JMSの一般公開は11月5日まで。
ブリヂストン
「ブリヂストンが新しい生活や未来に向け、人とモノの移動を支える」をコンセプトに、従来のタイヤ性能を向上させた上で、タイヤに求められる多様な性能をモビリティごとにカスタマイズする商品設計基盤技術である「ENLITEN」(エンライトン)搭載のタイヤを展示した=写真1=。
今回の出展はブリヂストンの企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」で示す価値創造を軸として、持続可能な社会を実現する活動、サステナブルなグローバルプレミアムモータースポーツ活動、ソリューション事業の展示を含めて、来場者が体感できるような内容で構成されている。
「ENLITEN」搭載の乗用車用タイヤ「TURANZA EV」はサステナブル素材を採用し、再生資源・再生可能資源比率(MCN)50%を実現。「ENLITEN」技術搭載タイヤを装着したソーラーカー、今シーズンの「NTT INDYCAR」シリーズのストリートサーキットで使用されたグアユール由来の天然ゴムを適用した「Firestone」ブランドタイヤも展示されている。
横浜ゴム
「ヨコハマが創る未来のタイヤ」をテーマに開発中の先進技術、EV対応技術、サステナブル技術などをブースで紹介している。
先進技術では、スポーツモードとコンフォートモードを切り替えられる未来のスポーツタイヤコンセプトを初披露=写真2=。走行シーンによりタイヤのトレッド面とケーシング剛性をコントロールする「硬度可変スタビライザー」を搭載。タイヤ剛性をスポーツ走行時はアップ、コンフォート走行時はダウンさせることでスポーツタイヤをより快適にする技術だ。
空力をコントロールし、車の性能向上に貢献するエアロダイナミクスフィンタイヤ「ADVAN A50」を参考出品した。EV対応技術では、この秋から欧州を皮切りに発売するEV専用ウルトラハイパフォーマンスサマータイヤ「ADVAN Sport EV(アドバン・スポーツ・イーブイ)」を初展示。EVや大型SUVなど車両の高重量化に対応するHLC(ハイロードキャパシティ)、タイヤ設計にAIを活用する「HAICoLab」についても紹介している。
住友ゴム工業
山本悟社長=写真3=は「WE SYNCHRONIZE.」をコンセプトに、住友ゴム独自の新技術やCASE+サステナブルな社会のニーズ・期待に応える先進的な取り組みについてプレスブリーフィングを行った。路面状況に応じてタイヤの性能がスイッチする新発明、現在特許出願中のゴム技術「アクティブトレッド」の詳細を初めて公開した。
山本社長「ウエット路面や凍った路面でも安心して走行できるように路面と接するトレッド部のパターンやゴムの配合など様々な研究開発を重ねて高性能なタイヤを目指してきました。今、私たちはタイヤの常識に挑み、ゴムそのものを発明しました。あらゆる道にシンクロするゴム、『アクティブトレッド』です。この技術を初めて搭載する次世代オールシーズンタイヤを24年秋に発売致します。
一つのタイヤで安全快適に運転することができれば省資源となり、タイヤの履き替えを減らせば地球環境負荷を軽減してサステナブルな社会の実現にも貢献できます。弊社技術者の努力の成果をこのブースに展示しています。
また、タイヤそのものをセンサーとして路面状況を可視化する『センシングコア』=写真4=やサステナブル原材料比率80%のコンセプトタイヤもあわせてご覧ください」