東京大学大学院など20以上が加盟する共同研究グループは10月3日に、国内初となる走行中給電の公道実証実験出発式を行った。それに引き続き同グループは11月8日、東京大学柏キャンパス内で走行中給電のデモイベントを行った。
東大グループの藤本博志教授は講演のなかで、自動車の電動(EV)化には給電や緊急充電のためのインフラ面に関し「バッテリーを大量に使用すると、車両が重くなりエネルギー効率が悪化し、車両コストが高くなる」「資源リスクが高まる」「急速充電により時間的、空間的に電力系統に負荷が集中する」「集合住宅では充電器の設備がむずかしい」と課題を提起。
そのうえで「バッテリー容量だけに頼らない方法が必要となり、充電器用の敷地、電気を個人で用意する必要のない走行中給電は理想のシステムといえる。またバッテリー製造量と走行抵抗の軽減により、温室効果ガスの低減も実現できる」とし、走行中給電の必要性を強く訴えた。
清水修准教授は走行中給電の公道実証実験について講演。安全・安心の確保に向け次のように説明した。
「漏電などの電気面は複数の安全管理を行い担保する。電磁的安全は他の機器や人の健康への影響に対し、承認・確認を済ませている」
実験場でのデモは実際に送電コイルを埋められた場所で行われ、車がその上を通過する際の電力供給量を、車体に載せたモニターで視覚的に解説した。