「さびたホイールナットは清掃・交換」「ナット・ワッシャー隙間に給脂」――大型車の車輪脱落事故を防ぐ五つのキーワード「お・と・さ・な・い」のうち、うっかりと見過ごされがちな「さ」と「な」の部分だ。
ホイール・ボルト、ナットが適切に清掃されず、潤滑剤が塗布されていないと、ナットを締めても十分な軸力（締め付け力）、締め付けトルクを得られず、ナットが緩む原因となる。
タイヤチェンジャーやホイールバランサーをはじめとする足回り整備サービスについてトータルで機器を取り扱う株式会社エイワ。同社が近年、現場へ提案するのがボルト・ナットのさび・汚れ落とし作業に際してボルトクリーナーを活用するということ。トルク管理システムツールのひとつとして、大型タイヤ向けボルトクリーナー「MBC−30CS」＝写真1＝（製造・東空販売）を市場で販売展開している。
ボルトクリーナーはエアーの力でブラシを回転させ、ハブボルトのさびや汚れを簡単に除去することができるもの。ハブナットのさび・汚れもホルダー（オプション品）を使用することにより短時間で着実に除去作業することを可能にした。
そのボルトクリーナーのブラシセットに、乗用車用の「MBC−PC−2」＝写真2＝と、小型トラック用の「MBC−LT−6」＝写真3＝を追加し発売した。乗用車用、小型トラック用ともに、それぞれのボルト・ナットの大きさに対応するクリーナーケースとホールブラシをセットにした。また大型車用と同様に、乗用車用、小型トラック用い
ずれもオプションでハブナットホルダー＝写真4・5＝を用意した。
最近、乗用車や営業車、小型トラックでも脱輪事故が発生し、それによる死傷者が増える傾向にある。ドラレコの普及で事故の様子を録画した動画や画像がSNSで配信され、社会的関心も深まっている。
このような状況を踏まえ、エイワは乗用車用・小型トラック用のタイヤ脱着時でもボルト・ナットのさび・汚れ落としを重視。メーカーの商品企画段階から積極的に協力して開発に取り組み、商品化を実現した。