日本ゴム工業会は1月26日、経団連会館で第31回幹事会を開催し、24年の新ゴム消費予想量などを報告した。
24年の新ゴム消費予想量は、景気回復や主要な自動車関連産業の伸びを期待して前年比1.2%増の124万2400トンとなった。
このうちJATMA統計による「タイヤ類」は0.7%増の100万610トンの予想。新車用タイヤは国内乗用車生産がコロナ禍からの回復傾向が続くと見込まれ、前年を上回ると予測、市販用タイヤは物価高の影響で減少した23年と比べ、夏用は横ばい、冬用は若干の減少と予測。
輸出用は23年同様、タイヤ本数は伸びるが、ゴム量では減少と予測。24年の「自動車タイヤ・チューブ」は0.6%増の98万4820トンと予想した。更生タイヤ用練生地を含む「その他のタイヤ類」は環境志向の高まりや新品タイヤの価格上昇にともなう経済的背景によりリトレッドタイヤの需要が増加傾向であることから23年を上回る5.7%増の1万5790トン。
幹事会の開催に先立ち、年初に発生した能登半島地震犠牲者の冥福を祈り哀悼の意を表するための黙とうが捧げられた。
冒頭挨拶に立った清水隆史会長=写真=は「23年のゴム製品製造業は、最大需要先である自動車産業が半導体などの供給不足が緩和し、回復傾向が顕著となった。出荷金額は引き続き前年を上回ったが原材料価格、人件費、物流費高騰、人手不足など企業経営はむずかしい状況が続く。本年は回復といわれる状況がゴム製品製造業全体に広がることを期待する。当会は社会的存在として広く世の中に貢献し、認知される団体でありたいと考える。SDGs、適正取引への対応など企業が果たす社会的責任が大きいが、当会は社会的責任を果たすべく努力していく」と語った。