住友ゴム工業はこのほど、タイヤ開発プロセスにおけるシミュレーション技術「タイヤ空力シミュレーション」を開発した。
EVの燃費(電費)性能向上のためにはタイヤの転がり抵抗の低減に加え、タイヤ周りの空気抵抗を低減することが重要な要素となる。今回新たに開発した「タイヤ空力シミュレーション」は、タイヤ付近の空気抵抗を可視化するシミュレーション技術だ。
実車両データを用いることやタイヤのパターンを再現した上で、車重による接地部分のタイヤ形状変化も含め結果の分析にAI技術を活用しながら、タイヤの回転による空力を計算できるという。
さらに、タイヤのサイドウォールの文字や微細な凹凸が、パターン同様に回転しながら変形する様子もシミュレーションで可視化。サイドウォール部の凹凸を少なくし、空気抵抗を低減することで、デザインと空力性能をより高次元で両立させたタイヤ開発が可能となる。
同社では、このシミュレーションを活用し、空力性能を最適化するタイヤ形状の開発を進めていく。2027年に発表予定の次世代EVタイヤでは、EVの電費性能向上に一層貢献するタイヤの開発を目指す計画。