横浜ゴムが新中期経営計画「YX2026」  売上収益1兆1500億円・事業利益1300億円。一層の成長戦略描く

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横浜ゴム 新中期経営計画「YX2026」
横浜ゴム 新中期経営計画「YX2026」

 横浜ゴムは2月16日、新中期経営計画「Yokohama Transformation 2026(YX2026)」を発表した。

 山石昌孝社長は「深化と探索をさらに推し進める。負の遺産は次世代に残さないよう、変革の『総仕上げ』をやり切る」とし、26年度財務目標について「売上収益1兆1500億円、事業利益1300億円、事業利益率11%、自己資本比率50%目安、ROE10%超、3年間累計の営業CF3850億円、設備投資の減価償却費以内(戦略投資を除く)」を明らかにした。

 「YX2023」では「過去100年の集大成」を経営目標として取り組んだ。23年度通期業績で売上収益9853億円、事業利益991億円、事業利益率10.1%、D/Eレシオ0.63倍、3年間累計の営業CF2672億円と、当初目標を超過達成した。ただ、ROE9.9%(目標10%)とROIC5.3%(同7%)は未達となった。

『Hockey Stick Growth』(うなぎ昇り)が成長イメージ
『Hockey Stick Growth』(うなぎ昇り)が成長イメージ

 それに対し「YX2026」は「過去との決別」が経営目標。『Hockey Stick Growth』(うなぎ昇り)を成長のイメージとして、一層の成長戦略を描く。

 タイヤ事業では、タイヤ消費財はADVAN(アドバン)、GEOLANDAR(ジオランダー)、WINTER(ウィンタータイヤ)の頭文字「AGW」に代表されるブランドのミックスアップを引き続き推進。18インチ以上へのインチミックス向上も図る。26年度の18インチ以上の販売目標は23年対比54%増。プレミアムカーへの新車装着活動、モタースポーツ活動も着実に行っていく考えだ。

 タイヤ生産財はOHT事業をコアに成長戦略を進める方針。トレルボルグの買収完了で農業・林業車両用タイヤは世界シェア40%で第1位となった。マルチブランド戦略を展開し、生産能力を増強しY-TWSとのシナジー創出を目指す。ATGの低コスト生産モデルを応用し、買収によるスケールメリットで原料調達コストの低減を図る。

 また、TBR事業もYX2026定量目標として、売上収益1319億円(23年度1036億円)、事業利益148億円(同41億円)、事業利益率11.2%(同4.0%)と一層の成長を目指す。

 一方、「サステナビリティ活動は企業活動である以上、企業の成長に資するものであるべき。過剰な投資でのちの経営に負担を負わせるのではなく、環境投資と企業収益との両立を目指す」(山石社長)とし、温室効果ガス排出量の削減は19年度比で26年に30%、30年に40%を目標とした。サステナブル原材料拡大促進については新たにSCOPE3削減目標を追加、2030年に40%達成を検討する。

 財務面では戦略投資を継続し、企業価値の向上を目指す考え。自己資本比率50%を目安とし、IR活動を強化しPBR向上をはかる。キャピタル・アロケーションは3年累計4500億円のキャッシュインに対し835億円の借入金返済、追加の株主還元策も検討する。長期では総還元性向を30%とする方針だ。


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