中国TBビジネス撤退。欧州再編も第2段階へ
ブリヂストンは1日、中期事業計画(2024-2026)(=24中計)について、東京・広尾のグローバル研修センターでのリアルと、オンラインによるハイブリッド形式で対外発表を行った。この席で石橋秀一代表執行役グローバルCEO=写真=は、24中計の最終年度で創業95周年にあたる2026年度に売上収益4兆8000億円レベル、調整後営業利益6400億円レベル、調整後営業利益率13%レベル、ROIC(投下資本利益率)13%レベルという経営指標を示した。
この日、同社が明らかにした24中計の経営指標は〈別表〉のとおり。22年8月に発表した「2030年長期戦略アスピレーション(実現したい姿)」への道筋とし、その前提となる景気や為替の動向、モビリティなどの変化を踏まえたうえで〝Passion for Excellence〟の実現を目指す。
前の21中計でターゲットとしていたROICが10%レベルを下回る8.7%で着地したことから、石橋グローバルCEOは「ROIC改善活動に現物現場で継続し取り組んでいく」と、強い決意で臨む姿勢を示した。
コア事業となるプレミアムタイヤ事業では「稼ぐ力の強化」を図り、プレミアム領域での確固たるポジションを獲得する。成長事業であるソリューション事業は小売サービスと生産財系BtoBソリューションへのフォーカスを図る。空気充てんが不要な次世代タイヤやモビリティ関連ツールなどの探索事業は、社会価値の提供とサステナビリティを中核に〝新たな種まき〟を行う。
北米と日本REP(市販用)という成熟エリアで「稼ぐ力の強化」をさらに進めながら、インドやインドネシアなどの成長エリアでビジネスをより積極的に推進する。OR(鉱山車両用)/AC(航空機用)/AG(農機用)/MC(二輪車用)というスペシャリティタイヤの分野もより一層の成長に向け取り組む。
強みであるPS(乗用車用)高インチタイヤの拡大販売を進め、商品設計基盤技術ENLITEN(エンライトン)の搭載率を23年度8%から26年度65%へと飛躍的に伸長させる方針。
一方で、24中計の期中にROIC5.5%に満たない不採算事業から撤退することを表明した。欧州事業は再編の第2ステージに入る。欧州のTB(トラック・バス用)3工場は操業日数の短縮や人員整理を実施し、生産能力を販売計画に合わせることで固定費の最適化を図る。
中国事業についても、瀋陽工場のTBタイヤ生産を24年1月で終了し、販売も含め同国でのTBタイヤビジネスから撤退する。中国ではPSタイヤを生産する天津と無錫の2工場体制とし、国内完結を強化する。
石橋グローバルCEOは「シン・グローカル経営体制で効果・効率の最大化を図り、良いビジネス体質を創る」とし、経営品質と業務品質を向上し価値創造へのフォーカスを強めると語った。