日本ミシュランタイヤがこの春の商戦で推奨するのはプレミアムコンフォートSUVタイヤ「PRIMACY（プライマシー） SUV＋（プラス）」、スポーツタイヤのPILOT SPORTS（パイロット スポーツ）シリーズから「PILOT SPORT 4 SUV」、さらに夏用タイヤ「CROSSCLIMATE（クロスクライメイト） 2 SUV」。乗用車・商用車タイヤ事業部マーケティング部ブランド戦略マネージャーの梶恵子さんは、ミシュランが目指すタイヤパフォーマンスを熱く語った。
市場分析と今後について
市場全体としては伸びることは予想していない。ただし、SUVはマーケットのシェアが顕著に拡大する状況は続き、それにけん引され18インチ以上の大口径サイズに関しては23年に続き24年も伸びていくと考える。
価格改定の影響は感じていない。ミシュランのタイヤに対しプレミアムなイメージを持たれるユーザーは多い。なぜこの価値があるのか、きちんとコミュニケーションして納得して購入いただくことが重要だ。価格が上がったものも多くあるが、性能についてコミュニケーションを怠らず『これだけの性能があるのでこの価格です』ということに納得して購入する消費者が多いので、ネガティブな影響は少ない。
電動車（ハイブリッド車、FCVを含む）カテゴリーに関しては、新車販売台数なども年々伸びてきているが、電動車専用のタイヤラインは持っていない。日本ミシュランタイヤでは、すべてのタイヤラインで電動車に対応していくという考えかただ。
電動車は車重（しゃじゅう）が重く、トルクが大きく、モーター音も静か。このような特徴に合わせた性能を全部のタイヤラインで生産してきているので、どのタイヤでも電動車に適合する。
ミシュランは電動車の研究を長年続けている。例えば摩耗の早さにどう対応していくのか、トルクが大きくなることにより生じるタイヤへの負担増にどのように対処するか、低燃費性（電費性）の追求といったさまざまな要素を盛り込み、販売店の皆様向けの勉強会も実施をして一緒に消費者にアプローチするような取り組みを行っている。
販売計画
この春も大口径サイズをメインとして推奨していきたい。市場の動きでお客様のニーズに応えるということで、SUV用「PRIMACY SUV＋」、夏用タイヤのカテゴリーだが雪道も走ることができる「CROSSCLIMATE 2 SUV」、定評のある「パイロットスポーツ」シリーズから「PILOT SPORT 4 SUV」。この三つがターゲットとするSUVユーザーに向け、力を入れて販売していく。
SUVタイヤは車高があるため不安定とか、偏摩耗してしまうのが課題だといわれているが、それを克服しているのが前記の三つの商品だ。なかでもパイロットスポーツシリーズの「PILOT SPORT 4 SUV」は、SUVなのにまるでスポーツカーを運転しているような優れた走行安定性を発揮するタイヤである。そのようなことを改めて皆さんにコミュニケーションしていきたい。
市場で電動車への関心が高まるなか、ミシュランは「e・PRIMACY」を用意している。ミシュラン史上最高の燃費性能を備えたプレミアムコンフォートタイヤだ。全体の性能バランスを取った商品であり、ハイブリッドカーが増加する日本市場のニーズに適合すると考える。
この春も例年通り、販売店の皆様に向けた試乗会を通して、ミシュランのタイヤの良さを感じていただきたい。ミシュランは『トータルパフォーマンス』を非常に大事にしており、何かの性能を高めるために、他の性能を犠牲にすることはしない。全体のバランスを取ったうえで、それぞれの商品がスポーツラインなのか、コンフォートラインなのか、という味付けを出していく。
また、「トータルパフォーマンスが長く続く、摩耗末期までしっかり続いていく」ことを訴求していく。溝が少なくなるとタイヤの挙動がどのように変化していくのかなど、カタログではわかりにくいことをしっかりとお伝えしたい。そしてミシュランのタイヤは新品時だけでなく摩耗末期でも性能の落ち込みが少ない、ということを試乗会で体感していただきたい。タイヤの価値をお示しできる試乗会を、可能な限り各地で行う。
メッセージ
ポジティブな追い風が吹いている状況ではありませんが、トータルパフォーマンスの良さ、最後まで安心して使っていただける——このミシュランの信条をもって、皆様のタイヤ販売に貢献していきたい。さらにその先の消費者の満足度につながり、販売店の皆様が『ミシュランを売って良かった』と思っていただけるといいなと考えています。引き続き一緒によろしくお願いいたします。