TOYO TIREの新商品2種の技術説明会では、事業統括部門商品企画本部生産財商品企画部長の杉本裕昭氏、技術統括部門技術開発本部TBタイヤ開発部の藤岡剛史氏が開発の背景とコンセプト、商品の特長を語った。
小型トラック用リブタイヤ「DELVEX M135」は、小口配送が主体の小型トラックに最も重要と考えられる耐摩耗性能の向上とウエット性能の向上を図った。
一般的に、タイヤの接地面積は荷物の重さで変わってくる。その面積が小さいとグリップ力が低くなるためウエット路面で滑りやすくなる。低燃費性能、耐摩耗性の向上を兼ね備え、ウエット性能を維持するのが新商品のコンセプト。
タイヤ材料技術基盤であるNano Balance Technology(ナノバランステクノロジー)を活用し、新配合の耐摩耗LTトレッドコンパウンドを採用。また、トラック・バス用の技術基盤のe‐balance(イーバランス)を活用した新パターンデザインにより摩耗ライフを向上させた。
先端部をワイドにすることで接地面積を増やしグリップ力を確保。大型センターブロックにより転動時の過度な動きを抑制する。従来商品の「M134」との接地面積比較は空車時で3%、積車時で6%、それぞれ増加した。「接地面積が小さい空車時の走行はドライバーにとって一番不安に感じる状態。低荷重状態でも接地面積を増やすことでドライバーに安心感を与える設計になっている」(藤岡氏)。
小型EVトラック専用リブタイヤ「NANOENERGY M151 EV」について、杉本氏は「EV小型トラック用タイヤには低電費性能をはじめ耐摩耗性、トラクション性能、グリップ力が非常に重要になる。これらを満たすタイヤ開発を考えた」と述べる。
EV専用非対称パターン採用により、トラクション性能と耐摩耗性を高次元で両立した。藤岡氏は「パターンによって得意な性能が変わる。優れた性能を融合させた非対称パターンとすることでEVの車両特性に対応した性能を効果的に発揮することができる」と新商品の採用技術を説明し、その性能に自信を示した。