日本ゼオンは25日、2023年度連結決算を発表した。連結売上高は3823億円、前期に比べ1.6%の減収となった。連結営業利益は205億円で、同24.6%減の減益。経常利益は269億円、同14.3%減。当期純利益は約3倍の311億円となった。
エラストマー素材事業部門の合成ゴム関連では、主要市場である自動車産業向けを中心に需要は回復傾向にあり、売上高、営業利益ともに前年を上回った。同部門の売上高は前年から69億円減少し2153億円、営業利益は35億円減少し66億円、前年実績に対し減収減益となった。営業利益の減益は主に汎用ゴムの収益性悪化による。
合成ゴムの出荷量は、第4四半期でこれまで低調だった海外需要が回復し、自動車用を中心に出荷は堅調に推移した。ただ海外市況の動向は不透明な状況が続き、今後も注視していくとした。
次期の業績予想については、通期の売上高は当期実績3.9%増の3970億円、営業利益29.3%増の265億円、経常利益2.2%増の275億円とした。当期純利益は43.7%減の175億円を見込む。
エラストマー素材事業の展望については、自動車市場は堅調に推移するとみて、24年度は売上高62億円増の2215億円、営業利益34億円増の100億円と予想している。