日本自動車タイヤ協会(JATMA)は21日、定時総会を開催し、新会長に住友ゴム工業代表取締役社長の山本悟氏=写真左=、新副会長にTOYO TIREの代表取締役社長&CEOの清水隆史氏の就任を発表した。同日、JATMA本部でメディア向けの共同記者会見を行い、前会長の山石昌孝氏(横浜ゴム代表取締役会長兼CEO)=写真右=と新会長の山本氏が臨んだ。
記者会見で、山本新会長は「自動車タイヤはモビリティの主役たる自動車の最重要部品のひとつ。変化し続ける社会のなかでタイヤに求められる安全と環境について、事業活動を通じて提供していく必要がある」と述べた。
タイヤに関わる国連規則の策定への参画・協力や、国内でのタイヤ空気圧管理の適正化などの課題への取り組みの重要性について言及。「山石前会長が先鞭をつけたWEB(ウェブ)の活用といった効率的な普及啓発活動を続けていくことは重要」と、情報発信の必要性を強調した。
カーボンニュートラル実現の日本政府の目標達成への協力や、TRWP(タイヤ・路面摩耗粉塵)問題への対応などにも触れ、「これら以外にも課題は山積み。社会の変化に対応し具体的検討課題を設定する。その実現に向け、JATMAとしての活動を実施していく。会長としてわたくし自身も与えられた職責をまっとうすべく全力を尽くす所存」と意気込みを語った。
特に注力する事業活動として、「タイヤの空気圧管理の啓発活動はJATMAの推進する活動のなかでも非常に重要と位置付けている。引き続きより多くの人に訴求していきたい。路上タイヤ点検もわたくし自身も参加し、ユーザーの皆様と直接触れ合いながら重要性をご理解いただきたい」とした。
前会長の山石昌孝氏は2年間の会長在任期間を振り返り、「TRWP問題は日本の自動車タイヤ製造業者が一丸となって対応する必要がある。ワーキンググループをJATMA内に設置し対応方針を検討してきた。国際規格を策定へ向けた主導的な役割が果たせたと自負している」と感想を述べた。
冬用タイヤ装着の啓発活動については、「WEB活用や自動車用品小売業協会との連携などの効果的な手法の導入に腐心した。WEB活用は大きな力になると感触を得ている。今後も進めてほしい」とし、さらに「手がけた多くの課題は継続的な取り組みが必要。山本新会長のもと、JATMAがその役割をこれまで以上に果たすことができるよう、ご厚誼いただきたい」と後任の山本氏にエールを送った。