タイヤ3R関連企業が最新の情報を発信
アジア最大級の環境総合展、「NEW環境展」と「地球温暖化防止展」が22日から25日までの3日間、東京ビッグサイトで開催された。前者は第33回、後者は第16回となる。主催はともに日報ビジネス。両展示会は各種の環境課題に対応するさまざまな技術・サービスを一堂に情報発信することで、環境保全への啓発を行い国民生活の安定と環境関連産業を発展させることが目的。「NEW環境展」のテーマは“環境ビジネスの展開”。「地球温暖化防止展」のテーマは“CO2削減と新エネ・省エネビジネスの推進”。国内外から計714社が出展した。
廃タ有効利用率は上昇
注目度増すケミカルリサイクル
日本自動車タイヤ協会(JATMA)が先に明らかにしたように、23年(1月-12月)の廃タイヤの発生量は9千万本で、前年と比べて100万本減少した。廃タイヤの有効利用量は77万6千トンで、前年に比べて1万6千トン増加し、有効利用率も前年の98.2%から99.2%へと1ポイント上昇した。タイヤの3R(リデュース・リユース・リサイクル)は着実に進んでいる。
ただ、有効利用の内訳はサーマルリサイクル(熱利用)が大半で、マテリアルリサイクル(製品利用)は再生ゴム・ゴム粉が8万8千トン、原形加工利用(鉄原料含む)が2万4千トンと、前年実績を上回ったものの、まだ道半ば。処理方法や処理後の用途についてどのように拡大するかが課題だ。
近年は廃タイヤを化学的に分解し原料として再利用するケミカルリサイクル(CR)にも注目が集まる。廃タイヤはCR合成ゴムの回収量が他分野に比べ多いとされており、リサイクルの要素技術について開発が急ピッチで進む。
サステナブル素材へのシフトアップはタイヤ業界の重要なテーマ。持続可能な社会の実現に向け、一層の取り組みが期待される。
エムエスケイ(静岡県)=写真1=、寿産業(北海道)=写真2=、SSK Machinery(台湾)=写真3=、C&Bテック(韓国)=写真4=、ドリームサポート(広島県)=写真5=が出展し、廃タイヤ処理のシステム機器や素材としたリサイクル製品、環境負荷の低減を図る製品などを展示した。