日本ゴム工業会は7日、都内で第32回幹事会を開催した。幹事会開催前の理事会で会長、副会長、常勤役員の選任が行われ、清水隆史会長と副会長3氏の再任が報告された。常勤役員では岡本浩一氏が専務理事を退任し、後任に渋木克久氏が就任した。
清水会長は冒頭のあいさつで「23年は国内自動車生産台数が5年ぶりに前年比プラスとなったが新型コロナ禍以前の水準には達せず、ゴム製品の生産も19年に比べ9%下回った」と振り返った。
コロナ禍以前の水準への回復を期した24年だが、足もとの状況は厳しい。昨年から続く自動車メーカーの認証不正問題が影響し、1-3月の自動車タイヤや工業用品類の生産数量や出荷金額は前年同期を下回った。直近でも複数の自動車メーカーで認証不正が発覚。清水会長はこういった状況を踏まえ「4-6月も見通しは芳しくない」と指摘。7月以降の下期での回復に期待した。
業界を取り巻く環境についても逆風が続く。不安定な国際情勢に端を発する原材料価格の高止まりや、過度な円安は改善の兆しが見えない。少子高齢化や人材不足への対応、政府主導で進めるGX(グリーントランスフォーメーション)の対応に多大なリソースが割かれることも課題だ。
清水会長はこのような厳しい状況に見舞われながらも「発想を転換すればチャンスも生まれる」と指摘。会員企業に対し、業界全体で課題を解決していくためにも「積極的なご意見やご提案をお願いしたい」と呼びかけた。
また、令和5年秋の叙勲で藍綬褒章を授かった清水氏の祝賀式を開催。東正浩副会長から花束が手渡された=写真=。