国内タイヤメーカー4社経営トップの決算会見(1)

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カテゴリー: ニュース

 国内タイヤメーカー4社の24年12月期第2四半期連結業績が出そろった。発表にあたり、各社の経営トップが会見(住友ゴムはリアルとオンラインのハイブリッド、ブリヂストン・横浜ゴム・TOYO TIREの3社はオンライン)に臨み、24年度上期業績の振り返りと通期業績の見込み、中期経営計画の進捗を語った。

 

 

 上期は対前年増収減益。25年も事業再編・再構築を継続へ

 ブリヂストン石橋秀一グローバルCEO

 

石橋秀一グローバルCEO
石橋秀一グローバルCEO

 ブリヂストンは9日、24年12月期第2四半期決算説明会を開催した。上期は対前年比増収減益での着地となった。石橋秀一グローバルCEO=写真=は「北米TBビジネスの収益性低下や南米ビジネスの業績悪化などが続いた」と指摘。欧州事業でも新車用タイヤやTBなどで赤字が継続した。一方、アジア・大洋州・インド・中国と鉱山・航空機用タイヤでは対前年増益となった。

 上期業績を受けて、2月に発表した24年12月期の通期計画を下方修正した。

 石橋CEOは新中計「24MBP」(中期事業計画2024-26)の進捗についても説明し、グローバルでのコストダウンが進んだことを報告した。具板的には、在庫削減を徹底したことにより24年通期で510億円を圧縮。バリューチェーン全体でのビジネスコストダウン活動による効果は通期で650億円を見込む。

 新しい価値創造による〈稼ぐ力の強化〉も進める。ものづくりでは、製造原価の低減を進めながら、AIを活用したタイヤ設計とシンプルなモノづくりを目指すBCMAをかけあわせた、〈シン・彦根モデル〉をグローバルに展開する。石橋CEOは「生産での課題を抽出し、現物現場での改善活動の強化と、リアルとデジタルの融合によるものづくりを進化させていく」と強調する。

 乗用車用高インチタイヤの拡売も強化する方針だ。北米・欧州では、より収益性の高い20インチ以上の高インチタイヤにも注力する。ENLITEN(エンライトン)技術の活用も進めるとともに、成長事業のソリューション事業では、航空やトラック・バス向けのソリューション拡充を進める。

 石橋CEOは上期業績を踏まえて、24MBPでの事業再編・再構築を25年も継続して取り組むことを決断。「ブリヂストンイーストは、日本・タイの卸・小売りの再構築を進め、販売固定費のスリム化を進める。ウエストでは北米のTB、多角化事業、南米事業の再構築の検討と実行、欧州事業の再編・再構築に着手していく」と説明。「当初計画より1年遅れるが、26年に〈真の次のステージ〉に進む基盤を構築していく」と強調した。


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